心臓病の症状 ~咳~

心臓病の犬の症状に、咳が挙げられます。

咳をしているから心臓病というわけではありませんが、なんで心臓病では咳が出るのでしょう?

 

第一に

心臓が大きくなって、気管を圧迫刺激するからです。

第二に

心臓が悪くなって起きてしまう心原性肺水腫、この主症状は呼吸困難ですが、湿った咳を伴なうことがあります。

 

実際のX線写真で見比べてみましょう!

正常な犬の心臓のX線写真です。

気管は圧迫されていないのが分かります。

 

 

次に心臓病の犬の心臓のX線写真です。

心臓が大きくなっていて気管が背中側に圧迫されています。

 

そのほか、

咳は色々な原因で起こってきます。

① 気管や気管支の問題

…代表的な病気では、気管虚脱、気管支軟化症、気管支拡張症、また慢性気管支炎などでも起こります。

また、感染症になりますが、いわゆるケンネルコフと言われる犬伝染性気管・気管支炎では咳が起こります。

(猫では喘息などが挙げられます。)

② 肺炎

…肺炎(誤嚥や感染によるものなど)

③ その他

…肺挫傷、肺捻転など

 

この様に、咳は心臓病のほか、気管など呼吸器系の疾患でも起こります。

咳が気になるような時は心臓や気管などの検査をして、確認をしていきましょう。

 

この記事を書いた人

荻野 直孝(獣医師)
動物とご家族のため日々丁寧な診療と分かりやすい説明を心がけています。日本獣医輸血研究会で動物の正しい献血・輸血の知識を日本全国に広めるために講演、書籍執筆など活動中。3児の父で休日はいつも子供たちに揉まれて育児に奮闘している。趣味はダイビング、スキーと意外とアクティブ。