高血圧症

高血圧症は安静の状態でも常に血圧が正常よりも高い状態を言います。動物ではヒトのように他に原因がなく 血圧が上昇する本態性高血圧症は稀で、他の病気から高血圧が起こることが多いと言われています。高血圧症に なるとそれに弱い臓器に重度の障害を引き起こします。 アメリカ内科学会では 2018 年の高血圧を収縮期血圧の程度によって重症度を設定しており下記のようになっ ています。

原因

高血圧症を起こす原因としては腎臓病、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能亢進症、糖尿病などが多く、他に褐色 脂肪腫、原発性高アルドステロン血症などの稀な病気からも高血圧症となります。

症状

高血圧症に弱いとされる臓器は腎臓、眼、脳、心臓の 4 臓器です。 各臓器は高血圧の影響を受け次のような症状を発症します。

治療

二次性の高血圧症が多いため、まずは原因疾患の治療を行います。あるいは高リスクと判断された場合やすで に症状のある場合には血管拡張薬や利尿薬などを内服し改善を促します。

見通し

原因疾患や高血圧の程度により様々です。

予防

残念ながら予防は難しいと考えられますが、目の症状や神経症状も高血圧症が隠れている可能性があり注意が 必要です。

この記事を書いた人

荻野 直孝(獣医師)
動物とご家族のため日々丁寧な診療と分かりやすい説明を心がけています。日本獣医輸血研究会で動物の正しい献血・輸血の知識を日本全国に広めるために講演、書籍執筆など活動中。3児の父で休日はいつも子供たちに揉まれて育児に奮闘している。趣味はダイビング、スキーと意外とアクティブ。