準備は出来ていますか?介護の準備・方法お教えします ~食事介助編~

シニア期に入る準備を全シリーズ3回でお送りしております。

第2回目は食事介助について解説していきたいと思います!

~食事介助編~

介護状態になっても正しい食事は体を維持するための基本です。しかし若齢期に比べ頭の上げ下げや姿勢を保つことが難しくなり、舌の動きが悪くうまく食べられなかったり、ものを飲み込む能力も低下していきます。

そのため食器を高い位置に置いて食べやすくしたり、食器の形やフードを工夫してあげましょう。

ドライフードを与えている場合は、ふやかす・とろみをつける・缶詰を混ぜるなどすると食べやすくなります。

食事の縁にフードが残る場合は食器のそこが丸いものを使用したり、食事の盛り方を工夫してあげると食べやすくなります。

お皿を高い位置に置きましょう。

②食器の真ん中に山になるように盛ると食べやすくなります。

体勢の維持が難しい場合は・・・

食事中立っている間に足が滑ってしまう、フラフラして食べにくい場合には足元に滑り止めマット(ヨガマットなど)を敷くことで改善できます。

介護ベットのほかにも、専用の立位補助マットもあります。

使用することで立位での食事が可能になり誤嚥防止やリハビリの補助、褥瘡の防止など介護を行なう側の負担軽減にも繋がります。

固形物が食べられない場合の補助

固形物が食べられない場合には、ミキサーなどでペースト状にした食事をシリンジで与えることをお勧めします。

頭を起こし犬歯の後ろから少しずつゆっくり嚥下を確認してから与えてください。寝かせた状態のまま行うと誤嚥の原因になります。

 

食事補助の方法についてご説明いたします

☆準備するもの・・・食事補助用のシリンジ・水・ペースト状のご飯・口のまわりを拭くタオル

☆下準備・・・缶詰をミキサーにかけペースト状にしてください。硬くてミキサーが回りにくい場合は少し水を足すとペースト状になりやすいです。あまり水を入れすぎるとスープ状になり強制給餌が行いにくくなります。あらかじめペースト状になっている缶詰もあります。

①シリンジにスプーンでペースト状のごはんを詰めます。

②ある程度入れたら内筒を差し込みます。この時ごはんを入れすぎると先端から飛び出すので注意が必要です。

③先端が上になるように持ち、シリンジを軽くたたいて、中に入っている空気を押し出します。

④犬歯の後ろからシリンジを差し入れ嚥下(飲み込むこと)を確認しながら少しずつ与えます。

⑤食べ終わったら水で口の中をゆすぎます。一度に入れすぎないようにしてください。誤飲の原因になります。

⑥口のまわりを拭きます。食べ残しがついていると皮膚炎の原因になります。

*使用済みのシリンジを洗うときは洗剤を使用しないようにしてください。すべりが悪くなり繰り返し使用できなくなります。

 

まとめ

食欲が落ちてきた・体重の減少が著しいなど今までの食事を食べなくなってきたら、まずは今まで与えていたフードを温めて匂いを出してあげたり、開けたばかりの缶詰や封を切ったばかりのドライフードで食欲が増すことがありますので試してみるのも良いでしょう。

必要なエネルギーを取ることができないと体を維持することができません。

食事についてのご相談だけでも大丈夫ですのでご連絡ください。

また食事後に呼吸が早くなっていたり咳をすることが増えてきたなど呼吸状態に変化が見られる場合には、誤嚥をしている場合がありますのでお早めに動物病院までご連絡ください。

また当院ではシニア期についての教室(シニアクラス)を行っておりますのでご興味がある方はぜひご参加ください!

次回は排泄・寝たきりの介助編です。是非ご参考になさってください!

この記事を書いた人

根岸 真由(愛玩動物看護師)
反抗期の子供を持つ2児の母。大きな犬と体当たりで遊ぶことが大好きで自宅でも中型犬と暮らしている。現在はさらに猫を迎え、犬とはまた違った可愛さに魅了されてメロメロ。スタッフのお母さん的な存在として、後輩スタッフの指導にも尽力している。