どうして食べてくれないの?その原因とごはんを上げる工夫について解説します。

「元気はあるのにあまりごはんを食べてくれない」

「この前まで食べていたごはんを食べなくなった」

「最近食欲が落ちている」

このような経験がある方はいませんか?突然ごはんを食べなくなると、もしかして病気なのでは?と心配になる方も多いと思います。そんなお悩みを解決するために、ごはんを食べなくなる原因とその対処法について解説します!

 

食べない理由

急に原因もなくごはんを食べなくなることはなく、必ず食べなくなる理由があります。犬や猫は些細な原因でもごはんを食べなくなってしまう繊細な動物です。

そこで、ごはんを食べなくなってしまう原因をいくつかご紹介します。

 

■病気

ごはんを食べない原因として、はじめに考えることは病気のことだと思います。

元気があり、排泄もしていて、ごはんを食べるが完食しない程度であれば、2-3日様子を見ても問題はありません。しかし、食欲不振だけでなく嘔吐や下痢をしている、元気がないなど他の症状が出ている場合は病気の可能性も考えられるので、早めに動物病院に相談してください。

また、子犬子猫や成猫(特に肥満猫)の絶食状態が続く場合は危険なため、半日または丸1日ごはんを食べていない場合は、動物病院を受診してください。

■口の異常

歯周病などの口の違和感や痛みにより食欲がなくなる場合もあります。詳しくはコチラをご参考ください。

以前よりもごはんを食べるとき食べにくそうにしている、よだれが多い、口臭がきつくなった、完食するまでの時間が長くなったなどの症状がある際は口腔内に異常がある可能性があります。

■顎、舌の動きが鈍くなってきた

シニアになると顎や舌の動きが鈍くなるため、自力でごはんを食べることも難しくなってきます。本当は食べたいのに上手に食べることができず、ごはんを残してしまうケースも少なくありません。

食べにくそうな様子が見られるようであれば、手から与えたりお皿を変更する、とろみのあるフードを選ぶなどの食事の補助を行うと、食べられる量が増えるかもしれません。

■気分がのらない

お腹が空いていない、今は食べる気分ではないなどの理由でごはんを食べないこともあります。30分経過しても食べない場合は1度ごはんを片付け、置きっぱなしにしないようにしましょう。

■おいしいトッピング待ち

ごはんを食べない時に、おいしいトッピングを入れてもらえたことを覚えている場合もあります。「待っていればおいしいものがもらえる」と学習してしまい、本当はお腹が空いているのに食べなかったり、残したりしてトッピング待ちをしている可能性があります。

必ずしもトッピングをすることが悪いことではありませんが、好き嫌いや食べムラの原因になってしまうので注意が必要です。

■食事に集中できない環境

環境の変化で食欲が低下する事もあります。最近引っ越しをした、周りの音が大きく食事に集中できない、いつもと違う場所、来客がいるなど、人間にとっては些細な環境の変化でも犬猫にとっては大きなストレスとなる可能性があります。

環境変化に敏感な犬猫のために、環境を見直し、安心してごはんが食べられる空間づくりをしましょう。

また、環境だけではなくコミュニケーション不足の寂しさから食欲不振になる場合もあるため、お散歩や触れ合う時間をしっかり確保することも重要です。

 

どのように工夫をしたら食べてくれるのか?

食欲が落ちる色々な理由について解説してきましたが、院内でも行っている食事を上げる工夫を実際にご紹介していきます。

もし、試したことがないことはぜひ一度試してみてくださいね!

 

■におい

犬猫はごはんを食べる上でにおいがとても重要です。嗅覚が優れている犬猫はにおいで美味しいごはんを判断しています。

例えば、フードを開封した直後は食いつきが良くても、時間が経つと食いつきが悪くなります。これはフードが酸化してにおいが落ちてしまっているからです。ずっと美味しくごはんを食べてもらうための対策は以下の通りです。

(1)温める

電子レンジなどで人肌程度に温めることによりにおいが強くなります。

(2)だしパックで香りづけ

開封したドライフードの中にだしパックを入れるとにおいが付き食いつきがよくなります。

(3)小分け包装

はじめから小分けになっているフードを選ぶことでいつでも新鮮なごはんを食べることができます。また、真空パックすることで酸化を防ぎ、においの変化も防げます。

■形状

においの次に重要なのがフードの形状です。においが良くても食べ辛い形や固さだと食欲がなくなってしまいます。

また、シニアになると噛む力が衰えてしまうので、固いフードを食べ続けることが難しくなるので、食事の工夫が必要です。

(1)フードを小さくする

小さめのフードを選ぶか小さくカットすることで、飲み込みやすくなり喉に詰まりにくくなります。

(2)お湯でふやかす

ドライフードをお湯でふやかして柔らかくすることで、飲み込みやすくなります。特に高齢で噛む力や飲み込む力が衰えている子は、喉に詰まらせて吐き戻してしまったり、消化不良を引き起こす可能性がありますのでふやかしてあげることをお勧めします。

また、ふやかして温めることで風味が増し食いつきが良くなります。熱湯でふやかすと栄養成分が変性してしまうことがありますので、ぬるま湯程度の温度のお湯でふやかすことです。

(3)ドライフードからウェットフードに変更

ウェットフードはドライフードよりも香りが強く、嗜好性が高いので多くの犬猫が喜んで食べてくれます。

水分があるため柔らかくシニアの子でも食べやすいです。また、食事と一緒に水分も補給できるので、あまりお水を飲まない子はウェットフードをごはんに加えることで水分補給もできるので一石二鳥です。

(4)とろみをつける

ドラッグストアなどで人用の介護用品として販売されている「とろみ粉」を使用するのもひとつの方法です。液体にとろみを付けると舌で絡めとりやすくなり、のどごしが良くなります。片栗粉と違って水に溶いてから熱を加える必要がないので、簡単に使用することができます。

ささみのスープやドライフードをふやかした後のスープにとろみをつけることで、食欲をアップさせる効果が期待できます。

食物アレルギーがある子は使用前に原材料を確認することや、下痢や嘔吐の症状が出ないかよく様子を観察しましょう。

(5)舌触りの良いものを選ぶ

ウェットフードに少量の水を加えたものやドライフードをふやかしたものをミキサーにかけ、ペーストのようになめらかすることでより舌触りが良く、食べやすくなります。

少し手間はかかりますが、少量しか食べてくれない場合はドライフードをふやかしたものをペーストにしたものの方がより多くのカロリーが摂取できます。

■フードに飽きやすいならローテーション

同じフードをあげ続けていると食いつきが悪くなる場合や、突然好みの味が変化することもあります。そこで、食べてくれるごはんを複数の種類用意し、そのごはんをローテーションしてあげると飽き性が改善されやすいです。

フードをローテーションする際の注意点として、新しいフードをあげる際はおなかへの負担を考慮し、一気にフードを切り替えるのではなく、1週間程時間をかけて徐々に新しいフードの割合を増やしていきます。その際は便の状態もよく観察し下痢が続くようであれば、切り替えは中止して病院を受診しましょう。

■食器の工夫

食器の形や材質がごはんの食いつきに影響を与えることもあります。食器を変更してからごはんの食いつきが悪くなった場合は、以前に使用していたお皿か同じ材質のものに戻してみると食欲が戻るかもしれません。

現在は、ステンレス製やプラスチック、陶器、ガラスなど様々な種類のお皿が販売されています。ぜひ自分のコに合った食器を見つけてみてください。

■ごはんの盛り方

(1)山のように高さをもたせる

高さを出すことで、口の中にごはんを入れやすいため、食べる際のストレスが軽減されます。

(2)平らに盛る

舌を上手に使って食べることができます。

■ちょうどいいお皿の高さ

フードやお皿に気を遣っている飼い主さんは多いと思いますが、お皿の高さも食欲を左右する重要なポイントの1つです。

一度食べている姿を観察してみてください。頭が下を向いてかかんでいる姿勢のままごはんを食べていませんか?

食べる姿勢が辛い事で食べ残しや食欲が低下してしまうほかにお腹が圧迫されることや食道が曲がってしまうため、食後の吐き戻しの原因になります。また、かがむ姿勢は関節や筋肉に負担をかけるので、シニア期の犬猫はより配慮する必要があります。

お皿の理想の高さは食べる姿勢が頭と背骨が一直線(前脚を曲げずに食べれる姿勢)になる高さです。まずは、箱や雑誌を活用して、どの高さが自分のコには適切なのか把握することが大切になります。

 

さて、ごはんを食べてくれない場合の対処法についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

工夫しても食べてくれない場合は病気が隠れている可能性もございますので、お早めにご相談ください。