犬と猫のオムツとマナーウェア 徹底比較!

みなさんは犬猫にオムツやマナーウェアを使用したことはありますでしょうか。

とても便利なグッズですが着用するときのポイントや使用時の注意点があります!

今回はオムツとマナーウェアの使用方法とそれぞれの比較をしていきます。

オムツやマナーウェアを使用する目的やメリットとしては、加齢や病気による尿漏れ対策、ヒート中の汚れ防止、お出かけの際のマーキングや粗相の防止などがあります。不特定多数の人や犬が集まる場面ではエチケットのひとつにもなっていますね。

では、どちらを選んだらよいのでしょうか。まずはオムツとマナーウェアの違いから解説します。

 

オムツとマナーウェアの違い

オムツとマナーウェアを選ぶ際に確認していただきたいのは、尿量と着用する時間の長さ、そして運動量です。

オムツは尿を吸収できる面積が広いため比較的長時間の着用でも漏れがなく安心ですが、お尻と後ろ足を包み込む構造のため着用の違和感がマナーウェアに比べ大きいです。

それに対してマナーウェアはオムツに比べて運動が制限されにくいですが、1回の尿量が多い場合の使用には向きません。

また、カバーしたいのが尿だけなのか尿と便の両方なのか、犬の場合は性別によっても選択すべき製品が変わってきます。どちらのタイプが向いているのか、ライフサイクルによって検討しましょう。

 

適切なサイズ選び

ペットショップやホームセンターなどには様々なサイズのオムツ・マナーウェアがあり、どれがうちの子にぴったりなのか迷ってしまうかと思います。

サイズ選びはとても重要です。

サイズが小さいと擦れの原因となりますし、大きすぎるとずれやすく隙間から排泄物が漏れてしまうことがありますので、適切なサイズを選びましょう。

まず、パッケージに書いてある体重、犬種を参考にします。

体重は表示どおりでも柴犬など被毛にボリュームがある犬種ではサイズが合わないこともあるので、まずは数枚入りのお試し用少量パックから試してみるのがよいかと思います。体格の小さい犬には犬用よりも幅が狭い猫用のオムツもおすすめです。

どうしても市販の製品ではサイズが合わない場合などは布製のマナーベルトを使用する方法もあります。かわいらしいデザインのものが多くあり、吸収パッドを取り換えるだけで繰り返し使用することができます。汚れてしまった場合には洗濯して清潔に保ちましょう。

 

着用方法

製品、サイズが決まったら実際に使用してみましょう。着用する際には、まず畳まれているオムツ・マナーウェアを広げます。

オムツは穴に尾を通してあげます。尾が短く穴に通せない場合は穴に通さずにそのまま使用していただき、漏れ防止のために穴をガムテープ等で塞ぎます。

人のオムツはお腹側でテープを留めますが、犬猫は背中側で留めます。

きつくならないよう、腰回りと足回りに少しゆとりをもたせつつずれないように留めましょう。

ウエストが細い場合はテープが重ならないよう互い違いにして止めます。

マナーウェアもお腹周りがきつすぎないように注意しながらテープを留めます。

テープを留めた後に端を内側に折り込んでおくとずれにくくなります。

 

シニア期などの犬猫で背中がエビのように曲がっている場合はテープをまっすぐ留めず、テープの先が尾の方向を向くように留めると身体にフィットします。

 

オムツ・マナーウェアに慣れよう

加齢によって自らトイレに行くことが難しくなったことがきっかけでオムツ・マナーウェアを使用するようになるケースも多くあるかと思います。

しかし、シニア期の動物は新しいことに慣れるのが苦手な傾向があり、介護が必要になった時に初めてオムツ・マナーウェアを着用するとその違和感を嫌がって外そうとしたり、排泄を我慢してしまうことがあります。

いずれ必要になったときのために今のうちから練習しておきましょう。介護について詳しくはこちらをご覧ください。

着用のストレス軽減のためにはじめはおやつを食べているうちに着用して徐々に着用している時間を長くしていきます。

最終的にオムツを使用したい場合でもまずは着用感の少ないマナーウェアから練習しておくとより良いでしょう。

着けている最中に逃げ回ってしまうような場合はご家族で協力していただくことや、おやつの入ったお皿を部屋の隅に置いて前方に逃げられないように工夫することもひとつの方法です。

初めて着用する際にはオムツ・マナーウェアをかじって誤食しないかどうかをよく観察してください。

 

皮膚トラブルに要注意

オムツ・マナーウェアを使用する際に注意しなければならないのがオムツかぶれなどの皮膚のトラブルです。

長時間着用したままにせず、定期的に排泄しているかどうか皮膚の状態に異常がないか確認してあげましょう。

内股や腹部の皮膚に赤みがみられる場合、サイズが合っていなかったりテープを留める位置がきつくなってしまっている可能性もあります。また、交換回数が少ないと排泄物にかぶれて皮膚に炎症が起きてしまったり、細菌が陰部から入り膀胱炎を引き起こすこともあります。

オムツ・マナーウェアを交換、取り外す際には蒸しタオルやドライシャンプー、洗浄瓶を使用して身体を清潔に保つようにしましょう。

汚れがつきやすい陰部や肛門周りの部分はあらかじめ被毛を短くカットしておくとお手入れがしやすく、通気性もよくなります。

 

人用オムツも

犬猫に人用のオムツを使用されているご家族も多いかと思います。

人用を選択することの大きなメリットは費用面です。1枚当たりの費用を抑えることも毎日使用することを考慮すると重要なことですよね。

人用オムツと犬猫用オムツの大きな違いは尾を通す穴の有無です。フレンチブルドッグなど尾が短く穴を開ける必要のない場合もありますが、多くは人用のオムツを使用する前には穴を開ける必要があります。

穴を開ける位置に大体の見当をつけて縦半分に折ったオムツにハサミで切り込みを入れるとVの字の穴が開きますので、そこに尾を通してあげましょう。

切り口が広すぎると排泄物が漏れてしまったり、吸水剤がこぼれ出てきてしまうことがありますのでテープで補強しておくと良いでしょう。

赤いラインでオムツに穴を開けテープで補強します

 

便がオムツから漏れ出るとケージ内で踏んでしまって後片付けが大変になってしまう場合には、尾の穴を小さくしてあげると漏れにくくなります。その反面、軟便や下痢をしている際にはオムツの外に便が出た方がその後の洗浄の手間が省けます。

便の状態や活動性、寝ている時間の長さなどを観察して穴の大きさを調整するとケアがしやすくなります。

便をオムツの中に収めておきたいか否かによって、尾の穴の大きさを調節してあげるとよいでしょう。

 

また、犬猫用オムツの吸収剤はお腹側にしかありませんが、人用オムツには背中側まで吸収剤があります。寝たきりで横になっていることが多い場合や仰向けになって寝ているような場合には背中側までカバーしてくれる人用オムツがおすすめです。

パンツタイプの人用オムツやサイズが大きめのオムツを使用する際に、ずれ防止のためにサスペンダーを使用することもあるかと思います。その場合にはお洋服を着せてあげるなど皮膚が擦れないように注意しましょう。

 

オムツ・マナーウェアについて解説してきましたが、排泄の失敗のために使用している場合にはその原因を解決することで使用しなくても済む場合があります。

何か病気が隠れていないか、適切なトイレの環境を用意してあげられているか。1度見直してみるのもよいかもしれませんね。

オムツ・マナーウェアに関してご不明点などございましたら、当院スタッフへご相談ください。

この記事を書いた人

君塚 祥子(愛玩動物看護師)
「猫にやさしい病院」を目標にCATVOCATEを取得し、院内の猫プロジェクトリーダーとして猫のストレス軽減に力を入れている。また歯みがき教室やキトンクラスなど家族向けの教室を開催し、家族とペットの生活をより良いものに出来るよう奮闘中。趣味は野球観戦で埼玉西武ライオンズを応援している。特に栗山巧選手が大好き。