【動物病院が解説】病気予防にも重要!猫におすすめのトイレの種類や選び方を解説します
猫のトイレと一言に言っても、ノーマルタイプにシステムトイレ、フード付きトイレなどタイプだけでも様々です。加えてトイレ砂の種類、形状も機能性や猫の好みに合わせて多くのバリエーションがあります。結局どれを使ったらいいのかと、お悩みではありませんか?
猫にとって快適なトイレ環境を整えることは、病気の予防にもつながるとても重要なことです。
サイズや場所が適していなかったり、不衛生なトイレ環境は猫が快適に排泄することができません。排泄を我慢してしまったり、ストレスが続くと場合によっては膀胱炎などの病気を引き起こすこともあります。
今回は猫のトイレタイプごとのメリットとデメリット、設置する数や場所、お掃除方法を愛玩動物看護師が解説します。猫にとって快適なトイレ環境とはどのようなものなのでしょうか?まず、私たち人にとって快適なトイレとそうではないトイレをイメージしてみましょう。


君塚(愛玩動物看護師)
「猫にやさしい病院」を目標にCATVOCATEを取得し、院内の猫プロジェクトリーダーとして猫のストレス軽減に力を入れている。また歯みがき教室やキトンクラスなど家族向けの教室を開催し、家族とペットの生活をより良いものに出来るよう奮闘中。趣味は野球観戦で埼玉西武ライオンズを応援している。特に栗山巧選手が大好き。
猫が快適と感じるトイレ環境とは?
猫は快適なトイレであればゆっくりと気持ちよく過ごすことができますし、そうでなければトイレに行くのを嫌がって排泄を我慢してしまうこともあります。
もし自分がトイレを使うなら、どのようなトイレを選ぶでしょうか?
- ・掃除が行き届いていて清潔
- ・不快な匂いがない
- ・適度な広さがある
その他にも明るくおしゃれなライトがついていたり、慣れ親しんだ自宅のトイレもほっと落ち着けるようなスペースといえるでしょう。それに対して、仮設トイレや公衆トイレはいかがでしょうか。狭くて暗くて匂いも気になってしまって、なるべく早く外に出たいと感じる方が多いかと思います。
猫も私たちと同じです。排泄したいときに「ああ、またあの汚くて臭いトイレに行かないといけない…」と思わせてしまうのは、悲しいですよね。
ストレスを感じたり、トイレへ行くことを我慢してしまうと、不適切な場所で排泄をしてしまうだけでなく、膀胱炎や尿路結石などの病気の原因になります。
そのため、トイレ環境をきちんと整えてあげることが必要なのです。猫がトイレに満足しているかどうか、排泄前~排泄後の様子を観察してみましょう。猫の膀胱炎や尿路結石など泌尿器の病気については以下の記事をご覧ください。
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猫がトイレ環境に満足しているサイン
・排泄前にトイレ砂をゆっくり掘っている時間がある
・排泄物にしっかりと砂をかぶせている

猫がトイレ環境に不満があるサイン
・トイレの縁に足をかけて排泄する
・排泄後手をブンブン振っている
・排泄後逃げるようにトイレから出てくる

私たちも汚いものを触らないといけない時に、指先でつまんだり、なるべく触れないように扱うかと思いますが、猫の上記の仕草はまさにそれと同じなのです。
このような仕草がみられたら、トイレの見直しが必要です。
猫にとって快適なトイレ選び
猫のトイレのサイズの理想は「猫の頭からお尻までの長さ(体長)×1.5倍」の大きさとされています。
猫の体がトイレにあたってしまったり、体がはみ出てしまうような小さいサイズは避けましょう。また、トイレ砂を心置きなく掘ってもらえるように、十分な深さのあるものを選びましょう。深さがあるとトイレ周辺へのトイレ砂の飛び散りも抑えられて、ご家族のお掃除のわずらわしさも軽減されます。
おうちの環境や猫の性格によって最適なトイレを選んであげる必要があります。
では、それぞれの猫のトイレにはタイプごとにどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか?
ノーマルタイプ
- メリット
- ・構造がシンプルで手入れしやすい
- ・コストが低い
- ・トイレに出入りがしやすい
- デメリット
- ・砂が飛び散りやすい
- ・匂いが出やすい
- ・排泄物の性状が分かりにくい
蓋がないため、砂の種類によっては猫の足の裏にくっついて砂が散らばってしまったり、匂いが出やすく人間にとっては日々のお掃除が少し手間になるかもしれません。
ノーマルタイプのトイレは造りがシンプルでトレイの高さも種類が豊富なので、体の小さい子猫からシニア猫まで汎用性が高いのが特徴です。

システムトイレ
- メリット
- ・毎日の掃除が手軽
- ・排泄物の性状が分かりやすい
- ・採尿がしやすい
- デメリット
- ・ランニングコストがかかる
- ・トイレ内に匂いがこもりやすい
- ・丸洗いしにくい
システムトイレはすのこ状になっているため、日々のお手入れが簡便である一方で下痢や軟便をした時や丸洗いの際のお掃除が大変というデメリットがあります。
また下段のシートも定期的に変えないとトイレ自体が不衛生になったり、泌尿器の症状があってもそれがいつからなのか判断ができなくなってしまいます。

フード(屋根)付きタイプ
- メリット
- ・砂が飛び散りやすい
- ・匂いを抑えやすい
- ・隠れて排泄ができる
- デメリット
- ・トイレ内に匂いがこもりやすい
- ・窮屈に感じる猫がいる
フード付きタイプの大きな特徴は外から排泄の状況を見られないことです。
猫の行動学的にはトイレにフードは無いほうが良いとされていますが、静かな環境にトイレを設置できない場合や排泄を見られたくない繊細な性格の猫さんにはおすすめです。
上から入るタイプ
- メリット
- ・砂が飛び散りやすい
- ・匂いを抑えやすい
- ・隠れて排泄ができる(静かな環境にトイレを置けない、繊細な性格の猫向け)
- デメリット
- ・トイレに入るまでに高さがある
上から入るタイプのトイレでは、特に子猫やシニア猫は出入りしにくい傾向にあります。無理なく簡単にトイレへ出入りできるように、入口までの高さにステップをつけるなど工夫が必要です。可能ならばトイレの形状を出入りしやすいものに変えていただくと良いでしょう。

その他にも、最新のトイレでは体重測定ができたり、尿の量や回数を記録してくれるとても便利なものもあります。太り気味の猫の体重管理がしやすく、膀胱炎などからくる頻尿もすぐ分かります。トイレタイプごとの特徴を踏まえ、おうちの環境や猫の性格に合わせて選びましょう。
また、猫に多い慢性腎臓病では、体重の減少や尿量が増加するという症状があります。これらにいち早く気付くことによって、病気の早期発見・治療に繋げることもできます。慢性腎臓病についてはこちらをご参照ください。
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高齢猫に注意!慢性腎臓病について解説します。
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猫のトイレの設置場所とお手入れ
トイレの設置場所
トイレは猫が落ち着ける場所を選びましょう。
テレビやスピーカーの近くで大きな音がしたり、ご家族の出入りが多いような場所は避けることがポイントです。
トイレを買い替える場合など、ある日突然がらっと変わってしまうと猫のストレスになってしまうため、もともと使用していたものも同時に置いておいて、どちらも使用できる環境を作ってあげましょう。また、模様替えなどで設置場所を変更したい場合は、徐々に慣らすことをおすすめします。今までの設置場所から新しい設置場所まで、日数をかけて数十センチずつ移動しましょう。
トイレを置く数
トイレは「猫の頭数+1個」用意しましょう。
1頭であれば、1個。3頭であれば4個のトイレを設置することで、いつでも清潔で他の猫に邪魔されずに排泄することができます。スペースの関係など、どうしても必要な台数のトイレを用意できない場合は、こまめな掃除と、他の猫からの視線が気にならない場所に設置するなどの工夫をしてあげましょう。

トイレのお手入れ
猫に快適なトイレを提供するには、実はお掃除が最も重要です。
猫に快適に使用してもらう為には、排泄ごとに掃除をすることが望ましいです。最低でも1日2回は排泄物を取り除き、新しいトイレ砂を補充してあげましょう。
1週間に1回はトイレを丸洗いし、トイレ砂も全部交換するとよいでしょう。
トイレ砂の種類
猫のトイレにおおよそ欠かせないトイレ砂にも種類があり、猫の好みの分かれるところです。また、毎日の消耗品であるため、ご家族の使い勝手やコストも選ぶ基準になります。一般的に販売されているトイレ砂の種類は、下記の5種類が多いかと思います。
製品によって特徴は異なりますが、猫は鉱物系で砂の粒が小さく、無香料で固まるタイプを好むといわれています。
- 鉱物系:最もオーソドックスなタイプ。自然の砂に近く、堀る感触が好まれやすい。
- 紙製:軽くて扱いやすく、処分が容易。血尿など色の変化に気づきやすい。無香料タイプがおすすめ。
- 木製:軽くて扱いやすい。固まるタイプ、システムトイレ用など用途によって選べる。
- おから:食べてしまっても安心。処分が容易。
- シリカゲル:尿をすばやく吸収でき、匂いが抑えられる。
おうちの猫ちゃんにとってのお気に入りを見つけ、しっかり掘れる量を入れてあげましょう。
トイレ砂の種類を別のものに変える場合には、トイレを変えるときと同様に徐々に新しい砂を混ぜて比率を変えていくようにしましょう。

子猫のトイレトレーニング
子犬とは異なり子猫は積極的なトレーニングは一般的に必要なく、環境が整っていればスムーズに排泄できることがほとんどです。その中でもトイレトレーニングを失敗しないためのポイントがあります。
重要なのは失敗させないこと、トイレのサインを見逃さないことです。
- ・床の匂いを嗅ぐ
- ・うろうろする
- ・床を掻き始める
子猫がこのようなサインを見せたら素早く、慌てずにトイレにつれていきましょう。2~3回この作業を行うとトイレの場所を認識します。
慌てて大きな声を出したり走りよったりすると子猫はびっくりして排泄をしなくなります。もしトイレを失敗しても叱らずに静かに片付け、しっかり匂いを消しましょう。

まとめ|猫にとって快適なトイレを見つけましょう!
猫にとって快適なトイレとそれぞれのトイレの特徴について解説してまいりましたが、いかがだったでしょうか。トイレの選び方で重要なポイントをおさらいしましょう。
- ・体長×1.5倍の大きさを選ぶ
- ・頭数+1個設置する
- ・落ち着いて排泄できる静かな場所に設置する
- ・しっかり掘れる量のトイレ砂を入れる
- ・最低でも1日2回掃除する
- ・1週間に1回丸洗いする
快適なトイレは心と体の健康に繋がります。猫がときめくようなトイレ環境を作ってあげましょう!
トイレ環境の工夫や排泄に関する気になることがあれば、お気軽に病院スタッフにお声掛けください。
