皮膚の症状 ~びらん・潰瘍~

びらんも潰瘍もともに見た目は赤い病変であり、痛々しく感じると思います。

びらんは皮膚が剥け、表皮の下の層が残り出血はともなわない状態を言います。
潰瘍は皮膚が深く剥け、真皮や皮下組織まで達し、出血を伴う状態を言います。
皮膚にびらんや潰瘍を伴う場合には他の皮膚疾患と比べ、急いで病院を受診する必要があります。

 
びらん

 

 
腫瘍

比較的軽症のものであれば、急性湿性皮膚炎や熱傷などが挙げられます。
軽症と言えど、動物にとってはとても辛い皮膚トラブルになります。
これらは動物のかきむしる、舐め壊すなどの行動によりさらに悪化し、重症化することもあります。

これらの皮膚トラブルは早期に治療を開始すればするほど治るまでの時間も早くなります。
びらんや潰瘍を呈する皮膚トラブルは珍しい病気であることも多く、リンパ腫やエリテマトーデス、天疱瘡、血管炎、中毒性表皮壊死症などが挙げられます。

潰瘍(血管炎)

これらの病気にかかる可能性は高くはありませんが、発症をしてしまうと治療は難航すること可能性があります。
また治療が難航するだけでなく、通常皮膚科における病気で命に関わるものはそれほど多くありませんが、これらの病気は命に関わることが多くあります。
そのため、皮膚が剥けたような状態を見つけた場合にはびらんや潰瘍の可能性があるため、できる限り早期の受診をお願い致します。

この記事を書いた人

石井 秀延(ALL動物病院行徳院長 皮膚科学会認定医)
皮膚疾患に悩むご家族をはじめ、ご来院のみなさまにご相談していただきやすいような雰囲気づくりに努め二人三脚での治療をしています。2児の父で特に好きな犬種はプードル。日頃の運動不足解消のため暑さ寒さに負けず自転車通勤している。