ワクチンの副反応を正しく知ろう!

混合ワクチンには命を落とすかもしれない感染症を予防したり重症化するのを防ぐ効果があります。

他の動物と直接接触して感染するだけでなく、飛沫や環境から感染することもあります。ドッグランやペットホテルではもちろんですが、通院によっても感染する危険性があります。

しかし、ワクチンを接種したあとに副反応を起こす場合があります。副反応の正しい知識を持ち、ワクチン接種後の体調の変化によく注意をするようにしましょう!

 

ワクチンアレルギーの症状

大きくは2つに分けられていて、接種後すぐに反応があらわれるアナフィラキシー反応としばらく経ってから症状がみられるそれ以外の副反応です。

アナフィラキシー反応は接種後すぐに発症することが多く、治療が出来ないと死に至ることもある反応です。接種後30分以内は安静にしてよく注意して動物の様子を観察するようにしましょう。少しでもおかしいと感じたらすぐに病院を受診してください。犬で500頭に1頭、猫で5000頭に1頭起こすことが分かっています。

アレルギー反応は接種してから数時間から数日以内に起こります。アレルギー反応として全身的な痒みや顔の腫れが見られます。程度や反応は動物によりさまざまで、接種部位に出てくるような反応から、全身の反応として表れることがあります。全身反応として発熱反応は正常な免疫反応のひとつではありますが、やはり発熱による活動性の低下など、ご家族から見て心配になる点もあるかと思います。症状によって病院の受診が必要なこともありますので、動物病院に連絡をして受診するかを判断しましょう。発生率はおおよそ犬も猫も1%程度です。

ワクチン接種後に顔が腫れたミニチュアダックスフンドです。

 

ワクチン接種部位肉腫

その他、猫で発生するワクチン接種部位にしこりができる悪性の「ワクチン接種部位肉腫」というものがあります。ワクチン接種の後、数ヶ月~3年程たってからしこりができ、どんどん大きくなるという症状です。

これまではアジュバント(薬の効果を高める効果のある成分)を含むワクチンで発生が多いと言われてきましたが、明確なエビデンスが得られておらずアジュバントを含まないワクチンであれば安全とは言い切れません。近年ではマイクロチップ挿入部位や薬剤注射部位の肉腫も報告があり、「注射部位肉腫」と大きくまとめられています。

1万頭に1-2頭発生すると報告がありますが、発生してしまうと外科的に切除するのが一番の治療になり、肉腫を完全に切除することが可能である手足やしっぽに接種するのが望ましいとされています。

 

ワクチンアレルギーの治療

アナフィラキシー反応は命を落とすこともあり得る大変な症状です。アレルギー反応についても全身の痒みなど動物にとって負担になる反応です。ワクチン接種はなるべく午前中の早い時間に受診し、異変があればすぐに受診できるようにしておくこと、体調が悪い時には接種を控えることや、普段からの体調の変化に気づくことが非常に重要です。

もしアナフィラキシー反応が起きてしまった場合はすぐ病院に戻りアドレナリン、ステロイド剤、抗ヒスタミン剤、点滴などの治療をします。アレルギー反応が起こった場合は症状によって自宅で安静にするか病院を受診し、ステロイド剤や抗ヒスタミン剤で治療をします。夕方ごろまでお預かりしながら急変に備えることもあります。

 

ワクチンアレルギーが出て今後ワクチンを接種しない方がいいと言われたけどどうしたらいいのかな?

ワクチンアレルギーが出てしまった場合は症状の程度により、その後のワクチン接種が勧められないケースがあります。その場合は感染リスクを考えて抗体検査を行うことをお勧めします。血液検査による抗体検査を実施して抗体が十分にあれば接種しない方法もあります。抗体が十分にあればワクチンの効果が十分にあるということになりますので、接種の必要はありません。当院のワクチンプログラムでも成犬、成猫はワクチンの種類によって3年に一度の接種を推奨していますが、ドッグランやホテルによっては毎年の接種をルールとしているところもあります。その場合は抗体検査の証明を提出することも有効な場合もありますので、相談してみるとよいかもしれません。

ワクチン接種後に様子がおかしいと感じた場合は、すぐに先生に伝えましょう!

またこれまでにワクチン接種後に体調の変化があった場合、その旨を担当の先生に伝えてよく相談されることをお勧めします。