犬や猫のお尻から血が出てる!それ肛門腺からかもしれません。肛門腺炎と肛門嚢破裂の話。
「おしりこすり歩き」してる~かわいい♪
やけにお尻を舐めてるな、なんてことはありませんか??
犬猫には肛門嚢というにおい袋があります。おしりの肛門を中心に4時と8時の方向に存在します。
肛門嚢には肛門の筋肉の間にあるアポクリン腺と皮脂腺の分泌物をため込む機能があります。
分泌物は肛門周囲にある穴からうんちのときに踏ん張ったり、興奮したときに自然に排泄されます。
肛門嚢の分泌液は個体差があり、サラサラとした液体状、ドロドロした粘液上、粘土のような状態になっている動物もいます。
肛門嚢が炎症を起こすことを「肛門嚢炎 肛門腺炎」、分泌物が排出されずにどんどんたまってしまう状態を「肛門嚢閉塞」、さらに進行してしまうと「肛門嚢破裂」へ進行します。
肛門嚢炎・閉塞・肛門嚢破裂ってどんな症状?
初期には肛門あたりに違和感を感じるため、なめたりかんだりと気にします。おしりを床にこすりつけて歩くといった行動もみられることがあります。
肛門嚢破裂が起こると、おしりの周りで皮膚が裂けで出血し、分泌液の匂いが急にきつくなります。しばらくすると細菌感染を起こしで皮膚炎やただれを引き起こします。
予防法はある?
定期的に肛門嚢絞りをして、分泌液が貯まらないようにしてあげることが一番の予防法になります。
特に目立った症状がなくても、チェックしてあげることが大事です。トリミングやグルーミング時にセットに肛門腺絞りが含まれていることもありますね。
目安としては、1か月に1度の定期健診をお勧めしています。ALLペットメディカルチェックというシステムがありますのでぜひご利用ください!
肛門嚢炎・破裂してしまったら!治療法は?
おしりに違和感があり、疑わしい症状がみられたら、まず受診して肛門嚢を絞ってもらいましょう。
炎症が起きている場合は、分泌液が独特なにおいになるとが多いのですぐにわかります。その場合は抗生物質の内服や注射、消炎鎮痛剤も使うことがあります。
破裂してしまった場合も、抗生物質の内服や注射、消炎鎮痛剤を使用します。エリザベルカラーは必須です(舐めてしまうと悪化してしまうため)
破裂部位を清潔に保つために、数日に1度の患部の洗浄や、組織の回復を促すクリームや抗生剤の軟膏を使用することがあります。いずれも無理のないように行います。
短期間に治りきらず、何度も繰り返す場合は肛門嚢を取り除く手術が行われることもあります。