これは咳?くしゃみ?犬や猫の鼻でブヒブヒ音が鳴る逆くしゃみとは何?

逆くしゃみとは

お家で犬や猫が急に鼻をブーブー、フガフガ、ガーガー鳴らして、息を吸い込むようなしぐさを見たことはありませんか?

こうした発作的な症状を『逆くしゃみ症候群』『吸気性の発作性呼吸』と呼びます。一般的には『逆くしゃみ』と呼ばれています。

初めて見ると、「呼吸が苦しそう、何かの病気かも」と不安な気持ちになりますよね。

逆くしゃみはなぜ起きるのか、どのような対処が必要なのか解説していきます。

 

くしゃみとの違い

くしゃみと逆くしゃみは何が違うのでしょうか?

くしゃみは、刺激やアレルギーなどによって口や鼻から空気を押し出して、異物を外に出そうとして起こります。

逆くしゃみは鼻から空気を激しく連続的に吸い込むこむ発作的な呼吸のことを言います。

逆くしゃみと言っても、くしゃみとは似つかない症状ですね。鼻水を飛ばしたり、熱が出て元気がなくなるといった風邪のような症状もありません。

 

原因

明確な原因は未だ解明はされていません。

アレルギーやウイルス性疾患、細菌感染、異物、軟口蓋過長など何らかの鼻粘膜やノドの刺激が影響しているのではないかと言われていますが、多くは原因不明です。

チワワやトイプードルなどの小型犬やパグなどの短頭種によく見られます。

 

症状

突然鼻から息を急激に吸い込む動作をするため、豚のようにブーブー鳴らして呼吸しているように見えます。興奮時や水を飲んだ後に見られることがあります。

1日に何度も症状が見られることがありますが、何もしていなくても大体1~2分ほどで落ち着くことが多く、呼吸困難になるようなことはありません。

逆くしゃみをする犬猫は生涯を通じて症状が見られることが多く、稀に逆くしゃみの時間が長くなったり、症状がひどくなる場合もあります。

また、通常、幼少期から症状が見られるようになり、中~高齢期から突然発症することはほとんどありません。

このような場合は鼻腔内や喉頭の検査が必要になることもあります。

 

連続して出る場合の対処法・家庭での対処法

逆くしゃみの症状が見られたら、リラックスできるよう声をかけたり、胸や背中をさすってあげたり、鼻先に息を吹きかけてあげると治まることがあります。数分様子を見てあげてください。

一方で、逆くしゃみと思っていたら実は咳やくしゃみだったということもあります。鼻や気管、肺の呼吸器官や心臓に何らかの疾患が隠れていることがあります。

いつ・どんな状況で発症したのか、一回当たりの継続時間や1日の発症回数をメモしておく、また動画を撮ってもらうとどんな症状なのか見ることができます。

病気か見極める判断材料になるため、発作が見られたらカメラを回すようにしましょう。

ご不安なことがあればかかりつけの獣医師に相談をするといいでしょう。正確な診察を行うためにも、動画やメモをご持参ください。

この記事を書いた人

伊川 恵美加(愛玩動物看護師)
物心つく頃には動物に触れ合うことが多く、将来の夢は動物関連の仕事に就くことだった。看護師として外科の勉強や、当院をみなさまに周知してもらえるようHP等の内容を充実させることに奮闘中。また、シニア猫との暮らしの経験からシニアになってもより良い生活をできるようお手伝いしております。フェレット大好き、フェレット仲間募集中!