1人と1匹 1人暮らしで犬や猫を家族として迎える心構え

「これから1人暮らしをするけれど、実家に動物がいたから飼いたい。」

「今まで飼ったことないけれど、動物と暮らしてみたい。」

1人暮らしをするタイミングで動物を迎えよう!と考えたり、実際に一緒に暮らし始めた方もいると思います。

今回は1人暮らしで動物と暮らす前に必要な心構えについてお話したいと思います。

 

~動物を迎える前に~

1人暮らしで動物がいれば寂しくなさそう、楽しくなりそう、可愛さに癒されたい、と思う人が多いと思います。

しかし、動物と暮らすということは1つの命を預かるということ。

毎日のお世話に時間を割けるか、病気になった時にちゃんとした治療を受けさせることができるか、高齢になった時の介護、動物の生涯を通して愛情を持って最期までお世話することができるかをよく考えてから飼いましょう。

ワクチン接種など動物病院での診察や定期的なトリミング、留守中も室温管理のために空調を終日稼働させたり、ペット可の物件の家賃が割高だったりと、1人で暮らすよりお金がかかります。

そのため、金銭的な余裕があることも重要です。小型犬で年間にかかる費用は40万円以上とも言われています。いざというときのためにも、日ごろから貯金をしたり保険に入っておくと安心ですね。

 

~1人暮らしに向いている動物~

既に飼いたい動物、品種が決まっていますか?1人暮らしの方におすすめなのは、下記のような動物です。

・犬ならば小型犬 (小型犬のみ飼育可能な賃貸物件が多い)

・猫、ハムスター、ウサギなど小動物

・性格が穏やかでしつけがしやすい

・毛が抜けにくくお手入れが楽な品種

・運動量が多くない

 

~しつけの重要性~

一緒に楽しく生活するためにしつけをすることは家族の義務です。

警戒心よりも好奇心の方が強い子犬・子猫の頃からしつけをするのが一番定着しやすく、動物の生涯が充実したものになるか否かを左右するといっても過言ではありません。

特に社会化期といわれる生後3~12週齢に動物病院のスタッフにかわいがってもらったり、ご自宅の外の音やにおいを感じてもらったり、ブラッシングの練習をするなど、多くの経験をさせてあげることが重要です。

当院ではパピークラスを定期的に開催し、ご家族以外の人や他の子犬と触れ合う機会を設けています。

成犬・成猫になってもしつけはできますが、難易度は上がっていきます。

小さい頃から人と暮らすルールを覚えてもらえば、怒られることもなく楽しいことが増え、動物病院やペットサロンでも負担が少なく穏やかに暮らせるでしょう。

自分でしつけをして上手くいかない時は動物病院で相談したり、しつけ教室に通う、もしくはドッグトレーナーを家に招いてトレーニングする方法があります。

最近では犬の保育園があり、預けている間にトレーニングを行い、他の犬と接することで社会性を身に着けることができるなど色々なしつけの方法があります。

お家の子にあったしつけ方を見つけてあげましょう。

 

~お留守番の工夫~

1人暮らしのお家の動物にはお留守番は避けて通れない道です。お留守番中に吠え続けたり、いたずらをすることがないよう、しつけや対策をしましょう。

一緒にいる時は部屋の中を自由に歩けるようにしていても、お留守番中にいたずらが不安なときはサークルやケージに入れて出かけるようにします。ケージに入れられても動物が閉じ込められていると思わないように普段から慣れさせましょう。

お留守番中の様子が気になる方には、見守りカメラを設置して、スマートフォンで様子を確認できたり、首輪に内蔵されたセンサーで行動を通知、記録してくれるサービスもあります。

 

~賃貸での注意点~

鳴き声、走る音、臭い、抜け毛などはトラブルの原因になるものです。未然に防ぐためにもしつけや定期的なお手入れをしましょう。

・ペット可の賃貸物件でも住民全員が動物好きということではありません。共用部分ではキャリーケースに入れたり、抱っこで移動をしたりルールを守ることが大切です。

トラブルになってしまい、退去しなければいけなくなってしまった。なんてことにならないように気をつけましょう。

 

~もしもの時の預け先~

もし自分が病気になってしまったら…、災害が起こったら…、急な出張が…

どうしても自宅で動物のお世話ができない時、家族や友人、動物病院やペットホテル、ペットシッターなど預け先やお世話に来てくれる人を確認しておくと安心です。

動物病院やペットホテルでは、ワクチン接種や寄生虫予防をしてあることが利用の条件であることが多いので、事前に確認しておくとスムーズに預けることができるでしょう。

1人暮らしで動物を迎える心構えについてお話しましたが、備えていても生活し始めてから問題に直面することもあります。

当院にも1人暮らしで動物と暮らしているスタッフがおりますので、その際には気兼ねなくご相談ください。動物との穏やかで楽しい生活を応援しております。

この記事を書いた人

君塚 祥子(愛玩動物看護師)
「猫にやさしい病院」を目標にCATVOCATEを取得し、院内の猫プロジェクトリーダーとして猫のストレス軽減に力を入れている。また歯みがき教室やキトンクラスなど家族向けの教室を開催し、家族とペットの生活をより良いものに出来るよう奮闘中。趣味は野球観戦で埼玉西武ライオンズを応援している。特に栗山巧選手が大好き。