犬や猫の甘噛みでお困りではないですか?噛まない子になるために一緒に練習していきましょう!

小さい頃に多い甘噛みに皆さん苦労されることと思います。

しかし「そのうちやめるだろう」「可愛いから許しちゃおう」そう思って見逃していませんか?このまま放っておくと困ることになるかも!

どうして甘噛みをするのか?甘噛みを続けているとどうなるのか?

やめさせるにはどのようにしたらいいのか?これからお教えしていきたいと思います。

 

甘噛みとは?

犬の甘噛みとは、人や物、他の犬などに怪我をしない程度に加減をして噛むことをいいます。ではなぜ甘噛みをするのでしょうか?

元々この甘噛みという行動は自然な行動で、子犬同士遊ぶ際に甘噛みをしてじゃれついたり、歯の生え替わりの際にむず痒くて物を噛んだり、暇で自分の足等を甘噛みしたりすることがあります。

この行動は通常自分の兄弟犬や親犬と遊びの中で力加減を学んでいき歯も生え替わり、次第に落ち着くとういうこともありますが、一歩間違えると甘噛みが本気噛みになってしまい攻撃行動になるということもあります。

 

甘噛みは直した方が良いの?

先程もお伝えしたとおり、噛み癖は癖にならないようにトレーニングをしておいた方がいいです。乳歯が永久歯へと変わり、顎の筋力も強くなると甘噛みではすまなくなり、皮膚を貫通し大怪我をすることもあります。

自分だけではなく、他の人や犬まで傷つけたりする事件もあるぐらいですので、子犬のうちにしっかりと教えてあげるといいでしょう。

 

注意をする事で改善ができます

靴下などで遊ばせる→靴下をおもちゃと勘違いさせると、噛んでも良い物だと思ってしまいます。

この靴下はもうすぐ捨てるから遊ばせても良いけど、この靴下はこれから使うからダメと言われても犬にとってはどちらも靴下なので噛んで良いか悪いかはわかりません。

似たような形状のものは識別が出来ませんので、靴下がダメなら似ている形状の靴やスリッパもダメとし、噛まれて困るものは届かないところに置くなどして遊ばせないようにしましょう。

そして代わりに噛んでも良いおもちゃを用意してあげましょう!

 

噛み癖を治すためのしつけ方は?

では噛み癖をやめさせる為にはどのように教えていくかというと・・・

甘噛みされた→「痛い!」、「あっ!」、「ダメ」といった短い言葉を言う→しばらく無視する

※この場合の無視とは、触らない、話しかけない、目を見ないという事を指します。

犬は大好きな飼い主の目を見るだけでかまってもらえた・遊んでもらえたと思ってしまうので無視をすることで、甘噛みをしたら楽しい時間が終わってしまった・かまってもらえなくなったということを教えてあげます。

どうしても犬が何をやっているか気になって見てしまうということであればすぐに部屋から出て行ってもいいです。時間としては20秒ほどでいいです。

あまり長いと犬はなぜ無視をされていたのかわからなくなってしまいます。

部屋に戻り、おとなしく待っていたらご褒美をあげましょう。おやつでも良いですし大好きなおもちゃでもいいです。

 

犬が甘噛みをして服や手などを離さない場合はおやつやおもちゃで誘導し口をあけさせ離し、噛んでもいいおもちゃを与えます。

そのおもちゃで噛んで遊んでいたら意識的に褒めるようにし、噛んでもいい物だと教えてあげましょう。

これらを繰り返すことで「甘噛みをすると楽しいことが終わってしまう、無くなってしまう」ということを学習するので甘噛みをやめよう!となります。

言葉はわかりやすく、短く伝える。

家族全員が同じ方法で教えないと混乱をしてしまうので教え方は統一して根気強く繰り返し教えてあげてください。

 

体罰は厳禁!!

叩いたり、殴ったりという対応をする人の場合、犬は一時的にやめたり、その人にだけ噛みつかなくなることもあります。

ですがこういった場合に恐怖心を与えない人には噛んでもいいと思い、弱い者いじめをしたり、叩いてきた「手」そのものを怖がり恐怖心から身を守るために本気で噛んできたりすることがあります。

犬が唸ったり噛んできたりしてそれに驚いた人が身を引くと、犬は噛んだり唸ったりすることで人は身を引くということを覚えてしまいます。

噛めば人は叩いてこない、嫌なことをしてこないから噛もうと思い「噛む」行為が増えてしまい、信頼関係を結ぶことも難しくなります。

信頼関係を結んでいきたいのであれば体罰はやめましょう。

 

甘噛みをさせない環境づくりとは?

まずはしっかりとエネルギーを発散させてあげましょう!一緒に遊ぶ時間を作ることで信頼関係も構築され犬のエネルギーも発散されます。

エネルギーがありあまるとかまって欲しくて甘噛みをしたり、発散出来ないストレスがたまり手などの身体を噛むなどの自虐行為をしたりすることがあります。

そうならないためにも散歩に行ったり、一緒におもちゃを使って遊んだり、トレーニングをして頭を使ってみたりと問題行動を起こさないためにもしっかりとストレス発散させてあげましょう!

続いて部屋の環境を見直してみましょう。

噛まれて困るものが犬の届くところにありませんか?コード類や小さなボタンなど落ちていませんか?

当たり前のことですが、噛まれて困るものや誤食したら危険なものなどは犬の届かないところに置くことが大切です。家具などのどうしても移動できないものを噛んでしまう場合はビターアップル(天然の苦み成分が配合されたしつけ用の製品)など嫌な味や匂いのするものをつけてみるのも一つの手です。様々な工夫をしてみましょう。

 

それって本当に噛み癖?

いつもは触っても噛まないのに噛んできたり、どこか身体の一部を触ると噛んできたりということありませんか?

実は「痛み」でも噛むことがあります。

人と違い言葉では話せませんので「噛む」という行為で「痛い!」と言うことを伝えているのかもしれません。

いつもと違うなど違和感がある場合は一度獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

荻野 直孝(獣医師)
動物とご家族のため日々丁寧な診療と分かりやすい説明を心がけています。日本獣医輸血研究会で動物の正しい献血・輸血の知識を日本全国に広めるために講演、書籍執筆など活動中。3児の父で休日はいつも子供たちに揉まれて育児に奮闘している。趣味はダイビング、スキーと意外とアクティブ。