猫種別シリーズ!猫種ごとの性格や特徴などご紹介します。~マンチカン編~

猫種別シリーズ、今回はマンチカン編です!

近年では猫人気ランキング上位にランクインするほどの人気で知名度も高いマンチカン。

かわいらしい見た目に誰しも一度は癒やされた経験があることでしょう…!

そんなマンチカンの魅力や性格、特徴などをご紹介していきます。

 

マンチカンの歴史

マンチカンのような短足の猫は人間が交配させて作り出した品種ではなく、遺伝子の突然変異で誕生しました。

1940年代頃に初めてイギリスで発見されたと言われています。後に、アメリカのルイジアナ州でも同様の短足の猫が発見され、マンチカンの繁殖が本格的に始まりました。

原産国は初めて短足の猫の報告があったイギリスと本格的に繁殖を始めたアメリカの2つの説があるため、はっきりとしていません。

マンチカンという名前は、世界で愛させている名作「オズの魔法使い」に出てくるマンチキンという小人が由来だと言われています。

 

世界規模で有名な純血猫品種登録機関には1979年に設立された純血種および家庭猫の世界最大の血統登録団体であるTICAと純粋主義の最も高い血統登録愛猫協会であるCFAの2つがあります。マンチカンはTICAでは純血種としては認められていますが、CFAでは純血種と認められていません。機関によって認定されるかどうかの判断が分かれる理由としては、マンチカンが遺伝子の突然変異により誕生したためです。様々な猫種と交配された歴史やマンチカン同士の交配は避けるべきであることから純血種と認めるのか、その見解は未だに分かれています。

マンチカンの性格、特徴、種類

特徴

「マンチカン=短足」というイメージが強いと思いますが、短足が誕生する割合はなんと全体の20~30%と非常に少なく、マンチカンのほとんどが他の猫種と同じ足の長さです。

「マンチカンなのに足が長い!」と驚く方もいますが、実は足長マンチカンが珍しいのではなく、短足マンチカンの方が希少なのです!

短足同士を交配したら高確率で短足マンチカンが生まれるのでは?このように考える方も多いと思います。

しかし、短足同士やスコティッシュなどの耳が折れている猫との交配は関節の異常が出現する可能性が高くなるため禁止されています。

性格

性格は好奇心旺盛でとても社交的。子どもや他の動物にもフレンドリーなため、お子様がいる家庭や多頭飼いに向いていると言われています。(※先住動物の性格やマンチカンにも性格に個体差があるため必ずしも当てはまるわけではありません)

また、見た目の短足と相反して活動的で遊ぶことが大好きな猫種です。運動量やおもちゃを追いかけて走る素早さも他の猫に劣りません。短い足で必死になって遊ぶ様子はとってもかわいらしいですよね。遊ぶ時間をたくさん確保してあげましょう!

種類

マンチカンは様々な猫種と交配させたことから驚くほど毛色のバリエーションが豊富にあり、単色のみでなく、複数の毛色をもつ猫も存在します。クリーム、ホワイト、ブラック、ブラウン、ブルー、キャリコ(白黒茶)、タビー(縞模様)など、どの毛色もかわいらしいですが特にクリーム色は人気が高い毛色になります。血統登録機関TICAではどの毛色も正式に認められています。

マンチカンをお迎えする前にどの毛色が好みか調べておくと良いかもしれません!

また、マンチカンは短毛種(ショートヘア)と長毛種(ロングヘア)に分かれています。

毛色や被毛の長さによる性格の違いもほとんどありません。

暮らし方

ブラッシング

短毛種でも毎日のブラッシングは必須となりますが、長毛種は特に1日数回ブラッシングを行う必要があります。特に脇や股など擦れやすい部位は毛玉ができやすいため念入りにブラッシングしましょう。

また、夏場にはトリミングでカットを行うと熱中症や毛玉対策になります。ブラッシングについて詳しくはこちらをご覧ください。

環境

説明した通りマンチカンは活発で運動量が多い猫なので、十分に運動ができる環境作りが必要となります。また、肥満になると関節に負担がかかってしまうため肥満予防にも運動は欠かせません。

短足のマンチカンは、他の猫よりも跳躍力が劣るため低めのキャットタワーを選びましょう。簡単にできる環境の工夫として、足に負担がかからないように滑りにくいマットを敷くことや段差を無くすためにスロープ設置するのも良いかもしれません。

 

かかりやすい病気

骨軟骨異形性

遺伝的に発症する関節の病気で、関節の軟骨が骨のようなコブに変化する病気です。スコティッシュフォールドに多いこの病気ですがマンチカンもよく見られます。

若いうちには問題がなくても年齢を重ねることで関節の可動域が狭くなったり、歩き方の変化がみられたり、痛みが生じることもあります。

関節炎

短足がチャームポイントではありますが、体を支えている足が短いため他の猫と比較すると足や腰に負担がかかりやすい身体のつくりになっています。

関節炎を悪化させないためにも肥満には注意しましょう。体重管理にお悩みの方はこちらをご覧ください。

椎間板ヘルニア

猫界のダックスフンドと呼ばれる程、短足なため椎間板ヘルニアに罹りやすいです。これは背骨と背骨の間にある椎間板が背側に飛び出すことで神経を圧迫する病気です。

体を触った際に怒る、歩き方が普段と違う、運動を嫌がるなどの症状が出ます。

 

今回はマンチカンについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

マンチカンは短足で有名ですが、短足だけがマンチカンのチャームポイントではありません!

長い足も個性の1つですよねオンリーワンの姿をかわいがってあげましょう。

とても友好的で飼いやすい猫種ではありますが、短足ならではの筋骨格系疾患に罹りやすいため生活環境を工夫し、足腰の負担を減らすように心がけましょう。

この記事を書いた人

野田 純加(愛玩動物看護師)
「常に笑顔」がモットーでスタッフ間でも素敵な笑顔と評判。明るくお迎えすることでご家族のみなさまにほっと安心していただけるように心がけています。自宅では高齢猫と暮らしていることから猫好きで、来院した猫の個性に合わせたケアが得意。趣味はゲーム実況動画やお笑い番組の鑑賞。