子犬子猫からシニアまで、犬と猫の消化に優しいごはんの与え方についてご紹介します。

犬・猫も人間と同様に体調を崩して下痢や嘔吐をすることがあります。

下痢や嘔吐の原因のひとつとして消化不良があります。では、消化不良起こす原因は何でしょうか?

原因はいろいろとありますが、代表的なものとして食物アレルギーや食べ過ぎ、拾い食い、ストレス、運動不足、寄生虫の感染などがあります。

また、急にフードの種類を変更したり、環境が変わるだけでも下痢や嘔吐をすることがあります。

下痢や嘔吐が長期間続くと、脱水症状を起こします。

特に幼少期や高齢期に脱水を起こすと体力が奪われ生命にかかわる場合があるので注意が必要です。

下痢や嘔吐の他に消化不良を起こしているときの症状として、食欲がない、排便の回数が多いなどが考えられます。

消化不良を起こしているときはどのような食べ物を与えたらよいのでしょうか。今回は消化に優しいごはんや与え方について解説いたします。

 

何を食べさせたらいいの?

低脂肪で消化しやすい処方食をおすすめします。その他、消化しやすい食材には、ササミ・白身魚、キャベツ・白菜、豆腐、リンゴなどがあります。

1、処方食

低脂肪・消化に特化した処方食は動物病院で購入することが出来ます。総合栄養食であるため栄養バランスに優れており、栄養素が欠けることなく与えられます。

市販のフードに比べて少量でも必要なカロリーが取れるよう調整され、嗜好性も高く作られています。

処方食には消化管に負担や刺激が少なくなるよう設計されたものや、腸内の細菌バランスを整えるために食物繊維が入ったものなどがあります。

また、ドライフードだけでなくウエットフードや液体タイプなど様々な形状があります。

処方食はきちんと研究、検査された上で作られているフードですので安心して使うことが出来ます。ただし、病状によってはおすすめが出来ない場合もあります。処方食は獣医師にご相談いただいた上で与えるようにしてください。

2、ササミ・白身魚

低脂肪のため消化が早く胃腸への負担が少ないです。

味付けはせずにしっかり加熱してから与えてください。ゆで汁をフードにかけることでにおいが加わり、食欲をそそります。

3、キャベツ・白菜

食物繊維やビタミンが多く含まれていて、消化を高め、腸内環境を整える効果があります。

与える際は細かく切り茹でてから与えましょう。食べすぎて下痢をすることがあるので、与える量に注意してください。

4、豆腐

タンパク質やミネラル、消化酵素が入っているため、消化が早く腸の運動を助ける効果があります。ただし大豆アレルギーの恐れもあるため、与える際には注意しましょう。

5、リンゴ

腸内環境を整える成分が多く含まれていますが、大量に与えるとアレルギーが出たり、果糖により肥満につながる恐れがあります。

また大きな形状のまま与えると丸呑みして喉に詰まってしまう可能性があります。細かく刻んだり、すりおろすなどして少量ずつ与えるようにしましょう。

 

※処方食以外のいずれの食品も与えすぎは禁物です。また、上記の食材を食べれば症状が改善するというものではありません。食べ慣れない食材でさらに症状が悪化してしまうことがないよう、健康なときに食べてくれるかどうか試しておきましょう。

※手作り食は栄養素を過不足なく摂ることが非常に難しいです。近年は消化にやさしい総合栄養食も様々な種類が作られていますので、食欲が落ちて何も食べないなどの状況を除き、栄養バランスの取れた総合栄養食を与えるようにしましょう。

※症状が落ち着いてきたら徐々にいつものフードに戻してあげてください。

 

食欲がないときはどうしたらいい?

下痢や嘔吐をしているときは食欲が落ちる場合があります。食欲が落ちてきたときには食事のあげ方を工夫してあげましょう。

温めてあげる

電子レンジで人肌程度に温めることによって良い香りが立ち、食欲をそそります。温めすぎないように注意してください。

ふやかしてあげる

ドライフードなど硬いままだと食べにくい場合があります。お湯で柔らかくふやかして、人肌程度に冷ましてから上げてください。

お湯を加えることで水分も摂ることができ、ドライフードをそのまま与えるよりも脱水の改善に繋がります。

注射器(シリンジ)を使って食べさせてあげる

食欲がない日が続くと体重、体力が落ちてしまうため、場合によってご家族が食べさせてあげることが必要となります。

スプーンや、手から食べてくれればよいのですが、それでも食べないときには、ミキサーで粉状にしたフードをぬるま湯でペースト状にし、シリンジを使用して口の中に入れてあげる方法があります。

シリンジを使う方法についてはこちらで紹介しています。

※注意!

ペースト状にしたフードやふやかしたフード、手作り食はなるべく早めに使い切るようにしましょう。常温での長時間の保管は衛生的に好ましくありません。

ある程度の時間が経過しても食べないようであれば、片付けるようにしてください。

 

食事量を減らすことも胃腸に負担をかけない方法ですが、1日にあげる量が減ってしまうと体重減少に繋がります。

通常1日2回で与えていたら食事の回数を1日3~4回に増やして少量ずつ与えるようにしましょう。(例:1日2回、1回30gずつ➞1日4回、15gずつ)

 

まとめ

2~3日経過しても食欲が戻らない、吐き気や下痢が続くなど症状の改善が見られないときは動物病院へ行きましょう。

特に子犬子猫やシニアはあまり体力がないため、体重が落ちるとすぐに体力が失われます。また脱水症状を起こし、生命に関わる危険性もあります。

様子がおかしいと感じたら早めに動物病院へ連れていきましょう。

食事の管理はペットの健康を守るためにとても重要です。体調に合わせて食事を用意してあげましょう。

どんな食事あげたらよいかお困りの際はお気軽にご相談ください!

この記事を書いた人

根岸 真由(愛玩動物看護師)
反抗期の子供を持つ2児の母。大きな犬と体当たりで遊ぶことが大好きで自宅でも中型犬と暮らしている。現在はさらに猫を迎え、犬とはまた違った可愛さに魅了されてメロメロ。スタッフのお母さん的な存在として、後輩スタッフの指導にも尽力している。