リハビリチーム発足!犬のリハビリテーションを開始します!

この度、当院のリハビリテーション内容の充実のためにリハビリチームが発足いたしました!

今回はチーム発足からの活動の軌跡と、今後のリハビリテーションについてギュッとまとめてご紹介いたします!

 

動物のリハビリテーションとは

犬や猫などの動物に対しても人間と同じようにリハビリテーションが必要になる場合がありますが、日本ではまだまだ認知度が低いのが現状です。

リハビリテーションの対象は様々であり、手術後の機能回復のためやシニア期の筋力維持のためだけでなく、シニア期に入り筋力が低下する前の準備や身体を動かすことの喜びにも繋がるなど、年齢に関係なく行うことができます。

「歩きたい、動きたい」と思う時に自分の力で身体を動かせるということは、心身共に良い影響をもたらし、結果として生活の質(QOL:Quality of life)や健康寿命にも大きく関わると考えています。

 

当院のリハビリチーム誕生まで

当院では以前から外部講師によるリハビリテーションに関するセミナーを開催しており、知識を深める機会がありました。

スタッフ間でも「リハビリテーションをもっと積極的にやっていきたい!」という声は上がっていたのですが、なかなか実現できずにいました。

そんな中、当院で毎年開催している企画提案会で提案された内容のひとつが「リハビリテーションチームをつくりたい」というものでした。

かねてより取り組んでいきたいと考えていたこともあり「ぜひ実現させよう!」ということで、その企画を元に当院のリハビリチームが誕生したのです。

 

当院のリハビリチームの目的

「介護」

動物も年を重ねると必ず身体に変化が出てきます。リハビリテーションとは少し離れますが、介護というワードは動物と暮らしていく上で考えることのひとつですね。

動物は痛みや違和感を直接言葉で伝えることができないためご家族の“気付き”が重要になりますが、毎日一緒に暮らしていると少しずつ進んでいく老化には気が付きにくいものです。

心構えができる前に介護が必要になると慌ててしまいますよね。

シニア期が近づいてきたら、まずは今できていることをできるだけ長く継続することを目指しましょう。

そのためのひとつの手段としてリハビリテーションが挙げられます。

動物たちの QOL 向上や健康寿命を延ばすことももちろんですが、私たちが行うリハビリテーションの目的はご家族にリハビリテーションを身近に感じていただくことです。

リハビリテーションはダイエットや筋トレと同じように時間の積み重ねが必要です。さらに、個々に合ったメニューを進捗に沿って選択しながら行うことが重要になります。

だからこそ、停滞期が訪れたり挫折してしまうことも少なくありません。

それを当院スタッフがサポートさせていただきながら、二人三脚で進めていきます。

リハビリテーションには何よりご家族の協力が欠かせません。

簡単なことではありませんが、初めから難しいと考えるのではなく「できるかもしれない」「チャレンジしてみたい」と感じていただけるようなお手伝いがしたいと思っています。

 

動物の介護に関する情報はこちら↓をご覧ください。

準備は出来ていますか?介護の準備・方法お教えします~行動の変化 認知症編~

準備は出来ていますか?介護の準備・方法お教えします~食事介助編~

準備は出来ていますか?介護の準備・方法お教えします~排泄 寝たきりの介助編~

 

活動内容

院内で実施するリハビリメニューの強化を目標に、チームメンバーの知識・技術向上を現在も行っています。

動物リハビリテーションを専門に行っている外部講師に勧められた書籍での勉強やリハビリテーション専門施設での外部研修も行っています。

院内で使用する器具の選定についてはチームで何度も協議し準備をしました。リハビリ道具紹介についてはこちらをご覧ください。

今後もよりよいリハビリテーションの実施のために研鑽を続けてまいります。

 

リハビリ外来について

リハビリ外来の受付を 2024 年 2 月から開始いたしました!

<対象動物>犬

<対象年齢>シニア~ハイシニア期

※年齢制限なし

<予約方法>ご来院時/電話/LINE

※ 事前予約必須

<施術時間>30~60 分

※ 別途、診察・カウンセリングのお時間が必要となります。
<流れ>

診察後にお預かりしてリハビリテーションを実施します。詳細は下記の表をご確認ください。

リハビリテーション導入開始現在は、シニア犬に特化したリハビリテーションを中心に実施していきます。

今後、整形疾患や整形外科手術後の犬に対するリハビリテーションも強化していく予定です。

詳しくは当院スタッフまでお問い合わせください。

 

今後の展望

身体的な機能回復を目的としたリハビリテーションは医学的リハビリテーションと呼ばれます。

日本障害者リハビリテーション協会(JSRPD)ではこのような医学的リハビリテーションのほかに、職業リハビリテーション、社会リハビリテーション、教育リハビリテーションというものがあり、すべてに共通する目的が「個人の能力を高めること」だと書かれています。

上記は人間のリハビリテーションですが、動物に関しても同様だと考えています。

当院ではご家族のみなさまに動物リハビリテーションをより身近に感じていただけるよう、それぞれのご希望に合ったプランをご提案し、ご家族と動物たちが楽しく健康に過ごすためのお手伝いをしていきたいと考えています。

この記事を書いた人

藤咲 舞(愛玩動物看護師)
当院の看護主任として日々奮闘中。責任感が強く真面目な性格と自負しており、ご家族からも頼られることが多い。小学校などで子供たちと犬との触れ合いの場を設ける動物介在教育にも力を入れており、休日には愛犬とともに参加している。ご家族やペットのお名前を覚えるのが得意で、スタッフからも「人間カルテ」と言われる記憶力が自慢。