トリミングの時にどんなカットにしていますか?いろいろな犬のカットを紹介します!

犬種にもよりますが、わんちゃんと暮らしているとトリミングをする機会があると思います。

どんなカットスタイルがあるのか、うちの子にはどんなカットが似合うのか、お家で管理しやすいカットや注文する時のコツをご紹介していきます。

 

カットスタイル

『体の長さ』

☆ハサミ仕上げ

体をハサミでカットすると全体的にふんわりとした仕上がりになります。ふんわり長めなカットが好きな方、初めてのカットで子犬らしさを残したい方におすすめです。

ただ、長めに毛を残すのでお家でのブラッシングは必須です。ブラッシングをサボってしまうと毛玉だらけになってしまう可能性があります。

なぜブラッシングが必要なのか、ブラッシングの方法や注意することなど、詳しくはこちらまた、毛玉ができてしまう原因や、できてしまったときのほぐし方のコツなどはこちらで解説していますのでご参照ください。

☆バリカン(2~13㎜)

バリカンというと短くてツルツルというイメージが強いかもしれませんが、バリカンの長さによって雰囲気は全く違います。

その子の毛質や毛量などによってバリカンの入り具合は違うので一概には言えませんが、2~3㎜はツルツル、5㎜はスッキリ短く、8㎜は皮膚が見えない程度の長さ、10~13㎜はふんわり感が残った仕上がりになります。

短くカットをするのであればハサミよりバリカンを使用した方が時間短縮になるので、わんちゃんの負担は少なくなります。

プードルやシュナウザーなどカット犬種は体の長さを短くしても脚をふんわりカットすればほっそりした印象にならないのでよくお洋服を着る子などは体を短めにカットしてあげても良いかもしれません。

短くカットすればブラッシングの時間が短く済むのでご自宅で手軽にケアできます。ブラッシングが苦手な子や毛玉ができやすい子は短めなカットを検討してあげても良いですね。

 

『脚』

☆ストレート

体の長さに合わせて、下までまっすぐな脚を作る基本的なカットです。細めや太めなどご家族のご希望によって長さを変えてカットします。

☆ブーツカット

脚の付け根は短く、足先に向かって太く作るカットです。足先にボリュームがあるので、ご自宅でのブラッシングは重要になります。

☆ブレスレット

足先に丸くポンポンをつくるカットです。短くすっきりしたいけど全身ツルツルには抵抗があるという方におすすめです。

お洋服を着ても毛玉になりにくく比較的ご自宅でもケアしやすいカットだと思います。

☆バリカン

脚もバリカンですっきりカットするとご自宅でのケアの手間がかかりません。

体と同じ長さでカットするとすっきり短い印象、体より長めのバリカンでカットするとほっそりした印象になりにくいです。

体はふんわり、脚は短くカットするとアルパカのようになるのでそれもまたかわいいです。

『しっぽ』

☆筒状

尾の根元から先まで同じ長さでカットします。細めやふんわりめなどご家族のご希望に合わせて長さを調節します。

☆たぬき

根元が細く先に向かって太くなるカットです。アメリカンドックのような形になります。

☆ポンポン

根元から丸くカットします。もともとのしっぽが短めの子はきれいな丸になりやすいです。

しっぽが長めな子はまん丸にするとかなり大きくなってしまうので、サイドのボリュームを残して楕円形に仕上げることもできます。

毛量が少なめのわんちゃんは丸く作るのが難しい場合があるので、トリマーにご相談ください。

☆尾バリポンポン(バリポン)

しっぽの根元はバリカンで短く、先だけ丸くカットします。ドラえもんのしっぽのようなイメージです。

☆ライオン

しっぽの根元から3分の2ほどバリカンで短く先を残すカットでライオンのしっぽのようになります。

見た目もかわいく、肛門に毛がかからないので衛生的です。

『耳』

長く伸ばすと女の子らしい印象に、短めにカットすると幼い印象になります。

自然な雰囲気が好きな方は切らずにそのまま伸ばしたり、あえて毛先を揃えずすくようにカットすることもできます。

ご飯やお水に耳が入ってしまったり、お散歩で地面のにおいを嗅ぐときに汚れるのが嫌な方は耳の形に沿ってカットするのもおすすめです。犬種にもよりますが、三角形のようになります。

 

『顔』

☆テディベア

トイプードルでは一番人気のお顔の形で、テディベアのようにマズルの毛を丸くカットします。

☆アフロ

頭と耳を繋げて全体的に丸くカットします。毛量が少ないと難しく、頭の毛を長く残すのでご自宅でブラッシングをしないと毛玉ができやすいです。

☆ピーナッツ

頭とマズルを丸く、頬をすっきりピーナッツの形にカットします。

☆顔バリ

目の横から耳の前、喉ぼとけまでとマズルを短いバリカンでツルツルにカットします。

☆顔なり

顔の形に沿ってハサミでカットします。顔バリに雰囲気は近く、かなりすっきりした印象になります。

顔のバリカンが苦手な子や、顔にバリカンをかけたあと気にして掻いてしまう子などにおすすめです。

顔の骨格、特にマズルの長さや目の位置などによって似合うカットスタイルは違ってきます。もちろんご家族の好みなどもあるので、どんなスタイルが似合っていると感じるかはお好みにもよるかと思います。

ひとつの参考として、マズルが短い子はテディベアなど丸くかわいらしいカットが似合いやすく、マズルが長い子は全体を丸くカットすると頭が大きく見えてしまいやすいので、顔バリやピーナッツのようなスッキリとしたカットが似合いやすいです。

※カットの形の名称などは、サロンやトリマーによって呼び方や認識が違ったりするので、注文の際は注意が必要です。

 

トリマーに注文するときのコツは?

理想のスタイルにしたいとき、ご家族とトリマーの間でカットが仕上がったときのイメージのすり合わせがしっかりできているかが一番重要になります。

バリカンを使ったカットであれば何㎜のバリカン刃を使うのかをトリマーに確認しておくと違うサロンに行ったときなどに伝わりやすいです。

また、「今の長さから何㎝カットしてほしい」と注文するよりも、何㎝残してとオーダーするほうがトリマーによってのカットのバラつきは出ないかと思います。

また、トリマーによって得意なカットの雰囲気やクセもありますので、注文を口頭で伝えるだけでなくトリミング直後のお写真があるととても伝わりやすいです。正面だけでなく立った状態で側面の写真があれば脚の毛の長さや形がわかるのでより理想のカットのイメージを共有することができます。

お写真はインターネット検索した画像でも構いませんが、骨格や毛量などによっては理想のカットに近づけることが難しい場合もあるので、その際にはトリマーと相談してください。

 

少し話が逸れますが、ポメラニアンなどシャンプー犬種に多いのですが、カットの後に毛質が変わってしまった、毛が伸びてくるのが遅い、毛が生えてこないという子がたまにいます。

トリミングだけが原因ではありませんが、シャンプー犬種のカットにはそういったリスクも考えた上でどうするのかを決めていただけると良いと思います。

 

ご自宅でのケアがしやすいカット

見た目の好みもあるかと思いますが汚れやすいところ、毛玉になりやすいところをあらかじめ短くしておくのも一つの方法です。

お散歩のときに汚れやすい足先を短くバリカンでカットすると、汚れがつきにくくご自宅でも洗いやすいです。短い見た目が好みでない場合は毛をかぶせてしまうとパッと見は分からないのでおすすめです!

また、ハーネスやお洋服で擦れやすい脇などは毛玉になる前に短くカットする方法もあります。

定期的なブラッシングが出来ず毛玉ができてしまうと、トリミング時に痛い思いをするのはわんちゃんです。

お忙しくてケアの時間がなかなか取れない場合には、短いカットの方がわんちゃんの負担が少なくて済みます。

ご家族の理想のカットはあると思いますが、生活環境やご自宅でのケアの時間が確保できるかなどを考えた上で、わんちゃんへの優しさを1番に考えたカットを選んであげたいですね。

この記事を書いた人

野地 若菜(トリマー)
丁寧なトリミングを心がけており、おかげさまでたくさんのご指名を頂いています。診察は苦手な子でもトリミングの時間は好きになれるような工夫をしていることで懐いてくれる子が多い。趣味は漫画読書で中でもスラムダンクがいち押し。一緒に暮らしているハムスターの「ハム吸い」をして日々癒されている。