猫のストレスフリーな移動方法を伝授!動物病院と家の行き来を楽にしてあげよう

猫はとても賢く、危機管理能力に優れている動物です。いち早く危機から脱し、自身の身を守るために色んな空気を察知します。

動物病院に行こうとする日はキャリーケースを出す前から猫がなんとなくソワソワして、中々近づいて来なくて……という話も来院されるご家族からよく伺います。

猫はそういった能力に優れている分、慣れない環境や知らない人から受ける不安やストレスが大きいのです。ですがもし体調不良で通院や入院が必要になった際に、感じているストレスが少ない方がより治療効果を得られやすいというメリットがあります。

それでは病院に行くストレスを減らすためにはどうしたら良いのでしょうか。今回は移動や来院に慣れ、ストレスを減らすおすすめの方法をご紹介します。

 

病院へ行く前の準備

まずはご自宅で出来ることからご紹介します。

普段から猫の身体の様々な部分に触れ、触られること自体に慣れてもらうようにしましょう。いきなりたくさん触ってしまうと嫌がって逆効果になってしまうこともあるので、おやつなどを使いながら毎日少しずつ行うと良いです。ご家族が普段から身体に触れておくことで、異常の早期発見にも繋がります。

また子猫から飼われている方は社会化も重要です。猫は2~7週齢くらいが社会化期であり、この時期は学習能力が高く好奇心旺盛で、人や音などの様々な刺激に慣れさせるのに適切です。

それ以降は警戒心を持ち始め、知らないことを怖がるようになっていきます。社会化期の子猫を迎えた方は、色んな人や物と触れ合えるよう意識してみてください。

さていよいよ病院へ行くぞ!となったら何が必要になるでしょうか。

まずは猫を運ぶキャリーケースですね。キャリーケースを病院へ行く日に初めて見た、または病院へ行く日にしか見る機会がないと、猫の中で「キャリーケース=病院」となってしまうことがあります。キャリーケースを見るだけで逃げたり暴れたり、連れて行くのが困難になるなんてことも。

そうならないためにはキャリーケースが日常の一部となることが重要です。ご自宅で普段から部屋内に置き、自由に出入りが出来るようにしておきましょう。キャリーケースに入ったらおやつをあげるなども有効です。

移動も病院へ行く時だけでなく、家を出てすぐ戻るなど短時間の移動を行い徐々に慣れさせると良いです。移動時の余計な刺激もストレスに繋がりますので、なるべく揺れなども抑えましょう。車内ではしっかり固定してあげてくださいね。

キャリーケースの中に好きなおもちゃやご自宅の匂いがついたタオルを入れてあげることもストレス軽減方法としておすすめです。

またキャリーケースの選び方にも注意しましょう。クリアタイプで隠れられる場所がないものだと猫も緊張してしまいますので、外からの視線をある程度遮れるものが望ましいです。

また扉が一面しか開かないなど出し入れしづらいもの、爪が引っかかりやすい素材のものは避けましょう。とはいえ生活環境や移動方法にもよるところもありますので、選び方にお悩みの方はご相談ください。

 

病院での待ち時間と診察

続いて病院に到着してから、についてお話しします。

待合室ではキャリーケースは開けず、猫は出さないようにしましょう。前述の通り猫は危機管理能力に優れるため、人や音に驚いて逃げ出してしまう可能性もあります。

当院の猫待合室にはタオルもご用意しておりますので、目隠しに是非お使いください。診察前は特に緊張しているかと思いますので、なるべく余計な刺激を与えないようにしましょう。車でお越しの方は車内でお待ちいただくことも可能ですので、受付までお声がけください。

また待合でお待ちの際は人や犬の足音が響いてしまうので地面にキャリーケースを置かず、出来る限りお膝や椅子の上へ置いてください。受付や会計時にはキャリーケースを置ける荷物置きもご用意しております。

診察が始まりキャリーケースから出す際は、ゆっくりで構いませんので優しくお外に出してあげてください。診察室内で採血など処置を行う場合がございますが、その時は「痛いね」「ごめんね」よりも「偉いね」「頑張っているね」とポジティブな言葉をかけてあげる方が猫も安心してくれます。

ちなみに診察室にはストレス軽減のためフェリウェイというフェロモン製剤が設置されています。詳細はこちらの記事でご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

それからここを撫でられるのが好き、こういう味のおやつが好き、など情報があれば是非スタッフにお教えください!出来る限りストレスの少ない環境作りに努めて参ります。

 

帰宅後

診察が終わり、ご帰宅の際に気を付けなければいけないことは何でしょうか。

まず病院から出た後、極力寄り道をせずお帰りいただく方が良いです。ご都合によっては難しいかもしれませんが、検査など特に頑張った日はなるべくそのままご自宅へ!

同居猫がいる場合はすぐに会わせず、キャリー越しの対面やお互いの匂い付きタオルの交換から始めてください。帰宅後は病院の匂いを纏っており、お留守番だった猫から警戒され、威嚇や攻撃をされてしまうことがあります。

出かける時も帰ってきた時も、ゆっくり少しずつを意識しましょう。

 

最後に

猫は人の不安や焦りを敏感に感じ取ります。ご来院時はご不安なこともあるかと思いますが、ご家族も普段通りにしていただくことで、猫も少し安心出来ます。

普段からスキンシップや環境音に慣れる、体調が悪くなくても病院付近へ行ってみるなど慣れておくことも重要です。

特に社会化期は成猫になった際の性格に大きく影響しますので、様々なものに慣れることについて実践してみましょう。

これまでの生活環境や性格によっては、どうしても移動や病院に慣れることが難しい場合もあるでしょう。そういった場合は診察時に獣医師までご相談ください。来院前に不安や和らげるお薬を飲んでいただくなど、方法をご提案いたします。

ストレスを減らすために出来ること、今日から始めてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

興村 江美(愛玩動物看護師)
幼少期に祖母の家で犬と暮らしていたことから動物関係の仕事を選択。現在は院内備品の在庫管理やシニア動物のケアに力を入れており、ご家族へ配布するシニア介護についての資料作りも担当。趣味はハロープロジェクト所属アイドルのコンサート鑑賞で休みの日は定期的にライブに足を運んでいる。