犬や猫のトリミングの裏側紹介!どんな道具を使っているか紹介します。

トリミングされているトイプードル

犬種や猫種にもよりますが、犬や猫と暮らしているとトリミングする機会があると思います。

今回は、トリミングをするトリマーがどんな道具を使って、どんなことをしているかをご紹介します!

 

 

トリミング道具

ハサミ

トリマーの道具といえば一番にハサミをイメージする方が多いのではないでしょうか?

ハサミはカットするときには欠かせない道具です。

実はハサミには種類がたくさんあります。ストレートシザー、セニングシザー、ブレンディングシザー、ボブシザー、カーブシザーなどです。毛をカットするという役目はどれも同じですが、それぞれ使う場面が違います。

ストレートシザーはトリマーが一番使うハサミで、形を決めたり、面をそろえるときに使用します。

セニングシザーは量をすいたり、なじませたり、自然なカットができます。

ボブシザーはストレートシザーに比べて短く、ヒゲや足回り、目元や耳など細かい部分のカットに使用します。

様々なシザー

その子の毛質・毛量やトリマーの感覚などによってハサミを使い分けます。

たとえ同じメーカーの同じハサミでも、他の人が使っているものは微妙に感覚が変わってしまうので自分のハサミは自分専用のものを用意します。

使い終わったらオイルスプレーをかけてきれいに拭き取ります。使用していると切れ味が落ちたり刃がかけてしまうので定期的(3-4か月ごと)に研ぎとメンテナンスをしています。

シザーを手入れしている画像

 

シザーケース

シザーケースはトリマーが腰から下げているイメージがあると思いますが、その名の通りハサミを入れるケースです。

腰から下げるものだけではなく、収納するようなタイプのものもあり、持ち歩く際はこちらを使用しています。

シザーケース

 

バリカン

バリカンは毛を刈る(剃る)道具です。毛を刈るというとすごく短くカットされてしまいそうなイメージがあるかもしれませんが、希望の毛の長さに合わせて刃を取り換えることができます。

猫のトリミングでは刃の短いバリカンを使ってカットします。詳しくはこちらをご覧ください。

また、足の裏や肛門まわりなど、特に短く刈りたいところは小型のバリカンを使います。

使い終わったら刃についている毛をブラシで取り除いて、オイルをつけてお手入れします。

バリカン
バリカンを手入れしている画像

 

ドライヤー・ブロワー

ドライヤーは犬や猫を乾かすときに使う道具です。当院ではスタンドタイプと壁付けタイプの2台を使用しています。

美容師さんが使うようなハンドドライヤーを使うサロンもあると思いますが、大きな違いとしてはスタンドタイプや壁付けタイプでは両手が自由に使えること、風の温度や風量を調節できることです。風が苦手な子、皮膚が弱い子など、一頭一頭に合わせて調節することができます。

犬猫用のドライヤー

ブロワーはドライヤーをかける前に使います。

強い風で水分を飛ばすため、音や強風がストレスになったり、パニックになってしまう子もいるので、そういった子にはもちろん使いません。

ドライヤーのみで乾かすよりもブローの時間が短くなることで、トリミング全体の時間短縮ができますが、その子にとって何が負担になるのかはしっかり考えてあげたいですね。

ブロワー

 

ブラシ

一口にブラシといってもスリッカーブラシ、ピンブラシ、コーム、ラバーブラシ、獣毛ブラシなど様々なブラシがあり、犬種、毛質、毛の長さによって使い分けます。詳しくはこちらに載っていますのでぜひご覧ください。

コームはブラッシングのときも使いますが、カットをする際にも必需品です。コームで毛を起こしてハサミで切るという作業はガラス張りのトリミングサロンなどで見たことはないでしょうか?

コームを入れることをコーミングといいます。きれいにコームを入れられていないと、カットがきれいに仕上がりません。きれいに仕上げるためにはブラッシングやコーミングはとても大事な工程です。

コーミングされている犬

 

皮膚の状態にもよりますが、犬のトリミングの頻度は月に1回が理想的です。定期的にトリミングを実施することで大きな毛玉ができたり毛が過剰に伸びてしまうことを防ぐことができます。

ケアの中でもご家族にも頑張っていただきたいのはブラッシングです!

犬種などにもよりますが、ブラッシングは毎日行うことが理想です。毛玉の防止や抜け毛を取るということはもちろんですが、ご家族と犬や猫のコミュニケーションの時間になったり、賦活(ふかつ)といって皮膚に活力を与える効果も期待できます。

また、体に触られることに慣れればトリミングや病院で触られることに対してのストレスが軽減されますし、毎日体のチェックをすることで皮膚の異常にいち早く気づくことができ、病気の早期発見にも繋がります。

ご自宅で使うブラシとしては毛の長さや毛質にもよりますが、ピン先に玉の付いたスリッカーを利用したりクッション性のあるブラシを利用するなど皮膚に優しいものを選んであげると良いでしょう。

トリマーが使うスリッカーブラシと家庭用のスリッカーブラシの違い

 

その他にもたくさんありますが、代表的な道具を一部ご紹介しました。

先ほどもお伝えしましたが、ご自宅でのブラッシングはとても大事です!

ブラシの種類や使い方などは、こちらをご覧いただき実践してみてください。

ご自宅でのケアや使う道具について迷ったら、ぜひスタッフにご相談ください!

この記事を書いた人

野地(トリマー)
丁寧なトリミングを心がけており、おかげさまでたくさんのご指名を頂いています。診察は苦手な子でもトリミングの時間は好きになれるような工夫をしていることで懐いてくれる子が多い。趣味は漫画読書で中でもスラムダンクがいち押し。一緒に暮らしているハムスターの「ハム吸い」をして日々癒されている。