子犬、子猫を迎えたら最初に知っていて欲しいこと!社会化についてお教えいたします!

これから新しく家族をお迎えする方、すでに一緒に暮らしている方でも遅くありません!

「社会化とは何か」を知って、心と体の成長を促しましょう!

子犬・子猫は人間の赤ちゃんと同じです。

人は成長すると学校に通い人間社会の勉強や集団行動など学んでいきますが、犬猫は残念ながら機会がないと学ぶことができないため、人との関わり方や犬猫社会との違いを感じ、ストレスを抱えてしまい問題行動が出るようになることもあります。

そういった問題が起きないようにこれから一緒に社会化についてどのようなことをしたらいいか学んでいきましょう!

 

社会化とは

人間社会で楽しく暮らすために必要な社会性を身につけ、様々な環境に対応できる能力を培う事を言います。

社会性というのは人・動物・音・環境など経験するたくさんの事に慣らし、ストレスをなるべく抱えず柔軟に対応できるようにたくさんよい経験を積むこと、そして犬語・猫語を正しく理解して表現できることです。

犬語・猫語とは正しいボディーランゲージで自分の気持ちを相手に伝え、相手の気持ちを理解し無駄な争いを防ぐことに適した犬猫の表現方法です。

これにより円滑なコミュニケーションを取ることができるようになります。

この社会化は期間があり、犬では約3~14週齢(3ヶ月半)、猫では約3~9週齢(2ヶ月)で、大体4~6ヶ月は、好奇心が旺盛でいろいろな物に興味を持ち慣れていきやすいといわれています。

短い期間だと思いますが、子犬・子猫の成長はとても早いので「この時期がとても大切」ということが分かりますね!

 

社会化トレーニング

では社会化期にはどんなことをすればよいのでしょうか?

~子犬~

・ボディータッチ

身体を触るのを嫌がる子もいますが(例えば、足先や耳など)この時期から全身を触る練習をしておきましょう。

無理につかんだり、ぐっと押したりせず撫でてリラックスしている際にゆっくりと頭からお尻にかけて撫でます。

嫌がるそぶりがなければ、撫でている手をゆっくり足の方まで移動させて撫でていきます。

嫌がるのであれば無理をせずに頭からお尻までゆっくり撫でて触られることへの警戒心をなくし、気持ちよくリラックスできるところから慣れさせましょう。

足まで触れたら次の段階へ行きます。

頭からお尻、そのまましっぽまで撫でていきます。このように時間をかけて少しずつボディータッチの範囲を増やす練習をし、身体のどこでも触れるようにしましょう!

触られるのが好きな子、苦手な子もいるのでその子に合わせて時間をかけて練習をしてください。

・生活していく上で出てくる問題

家の中でよくある問題として、掃除機やドライヤーの音に対する恐怖から吠えてしまったり、追いかけてしまったりすることがあります。

恐怖心を与えないためにも最初から見える位置に置いておき、音は出さずに慣れさせましょう。

慣れたら次は少し離れて音だけを聞かせます。音が聞けたらおやつをあげて音が鳴ったら良いことがあった!というように音に良い印象を与えましょう。

慣れてきたら少しだけ動かし、おやつをあげる。というように少しずつ怖い印象ではなく掃除機を使用したら良いことがあるという印象をつけていくようにしてください。

子犬に無理に掃除機を近づけて怖がらせたりせず、ゆっくり慣らしていきましょう。

・外でよくある問題

車や人に吠えたり、追いかけたりすることがあります。

これは警戒心や恐怖心からおこることもありますので、散歩に出る前の子犬の時期に慣れさせることが必要です。

ワクチンを打たないと散歩に行けないと思いますが、そんな時でも出来ることがあります。抱っこをして外の環境に少しずつ慣れさせる事です。

最初は5分でも短い時間で十分です。

下におろさず、抱っこをして家の周りをぐるりと一周して終わりで十分です。声を掛けながら歩くのもいいですね。

初めての外に緊張している可能性もありますので、怖い思いをしないように少しずつ慣れさせましょう。

家でも外でもご褒美はとても重要です。緊張具合を図るバロメーターでもあります。

好きなものが食べられないほど緊張しているのか、好きな物ならなんとか食べられるのかでどのくらい緊張しているかわかると思います。ご褒美は好きな物を何種類か用意して置くといいでしょう。

そして苦手な物にせず、良いことがある、良い物だという印象をつけるために上手に使用してください。

その子の性格によって出来る・出来ない、得意・不得意があります。絶対に無理をせず、その子にあった方法で実施してください。

・社会化期を過ぎている場合

遅い、何も出来ないということはありません。トレーニングに少し時間はかかるかもしれませんが、苦手なことも時間をかけて良い印象になるようにしていけるので諦めない事が大切です。

 

~子猫~

猫の行動は環境要因(社会化)と遺伝的要因(親の性格などの遺伝)とが相互に作用しながら成長するといわれ、犬のように必ずしも社会化をしたから人に慣れて触らせてくれる、怖がらないというわけではありません。

しかし、この社会化の時期に老若男女様々な人に会ったり、他の動物と触れ合ったりして、五感をフル活用することで成長してからもさまざまな状況に適応する能力を身につけることが出来ます。

この時に気をつけなくてはいけないのは絶対に嫌がることをしないということです。

一度嫌なイメージを与えてしまうと改善するのがとても大変になりますので気をつけましょう。

そして、この社会化の時期を過ぎると大きな環境の変化や身体疾患でもない限り猫の性格が大きく変わる事はないと言われていますので大切なこの時期にしっかりと社会化トレーニングをしてあげましょう。

 

人間嫌いにならないようにするために、この時期に家族以外の人ともふれあうことが大切です。

猫好きの人や家族がいたら家にまねき、かわいがってもらいおやつをあげたり触れ合ったり他の人からの刺激をもらうと良い経験となり、自然と人間への社会化が出来ます。

他には、犬は散歩に出かけて外の環境に慣れる事ができますが、猫は散歩に出ないのでキャリーケースで連れ出して外の環境を見せ慣れさせてあげます。

しかし、急にキャリーケースに無理矢理入れてもキャリーケースが怖い場所として悪い印象がついてしまうので、まずは家でキャリーケースに慣れる練習をしましょう。この練習をしておけば病院やお出かけしたりする際にも役立ちます。

普段からキャリーケースを見ることができ、中は安全な場所と認識できるようにキャリーケースの中でおやつを食べたり、近くでおもちゃを使用し遊んであげたりすると良い印象がついて行きます。

無理をせず少しずつ慣れさせ、慣れてきたらファスナーをさわりおやつをあげる→もう少し慣れたらファスナーを少しだけ閉じ隙間からおやつをあげる→もう少し閉じておやつをあげるなどして少しずつ練習し、急にしめないように気をつけましょう。

怖がるようでしたら、少し前の段階に戻り慣れる練習からゆっくりと行いましょう。

このように他の物でも同じように少しずつ慣れる練習をすると成長してからも様々なことに対応できるようになっていきます。

 

まとめ

社会化のトレーニングは一度したからもう大丈夫というわけではありません。繰り返し行い学習させる事が重要です。

たとえ一度慣れた事でも再び恐怖の対象になってしまうこともあります。しかし、社会化を行うことにより、そのストレスを軽減することもできます。

どうしたらいいかわからないということもあると思いますので、専門的に行っているパピーナーサリーや定期的なしつけ教室の利用により、人や犬とふれあう機会を設けて専門家に相談してみてもいいと思います。

 

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この記事を書いた人

荻野 直孝(獣医師)
動物とご家族のため日々丁寧な診療と分かりやすい説明を心がけています。日本獣医輸血研究会で動物の正しい献血・輸血の知識を日本全国に広めるために講演、書籍執筆など活動中。3児の父で休日はいつも子供たちに揉まれて育児に奮闘している。趣味はダイビング、スキーと意外とアクティブ。