【動物病院が教える】犬との暮らしを快適にする基本のしつけ
「これからペットを迎えようと思うけど、しつけはやったほうがいいの?」
「すでに一緒に暮らしているけれど、どのようなことをやればいいのかわからない」
「そもそもしつけは必要なのか?」など疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
今回は、犬のしつけが必要な理由から、アイコンタクト、「オスワリ」「フセ」「マテ」「オイデ」といった基本的なトレーニングまで、ご家庭で取り入れやすい方法をご紹介します。

荻野 (獣医師)
動物とご家族のため日々丁寧な診療と分かりやすい説明を心がけています。日本獣医輸血研究会で動物の正しい献血・輸血の知識を日本全国に広めるために講演、書籍執筆など活動中。3児の父で休日はいつも子供たちに揉まれて育児に奮闘している。趣味はダイビング、スキーと意外とアクティブ。
犬にしつけはなぜ必要?
犬と一緒に心地よく暮らしていくためには、人と暮らすためのルールを教えてあげる必要があります。
「人の常識は犬の常識ではありません。」
ルールを知らないと周囲の人に迷惑をかけてしまい、犬もご家族も辛い思いをするかもしれません。
犬の習性と人間社会のルールを勉強し、トレーニングを行うことで信頼関係を確立しつつ、犬と人との安全を守ることに繋がります。
これらは厳しくやればいいということではなく、普段の遊びの一環として日常生活に取り入れていくことが大切です。
できないと諦めるのではなく、まずは出来ることからはじめて行きましょう!

犬のしつけに必要なものは?
ご褒美(おやつ・おもちゃ)
まずは愛犬が喜ぶご褒美を用意しましょう!
年齢によってご褒美の内容も変わってくると思います。
おやつ、おもちゃ、その他にも、愛犬が喜ぶご褒美ランキングを作ってみるといいかもしれません。うちの子の1位には、何が入りましたか?
しつけにおススメのおもちゃについてはこちらでも詳しくご紹介しています。
関連記事
おもちゃを使って楽しく学ぼう!犬や猫のしつけに適したおもちゃ「知育玩具」を紹介します。
おやつでしつけを行う場合、食べ過ぎは肥満の原因となるので、小指の先くらいの大きさのものを用意してください。
ハサミなどで切るか小さいサイズの物を用意するといいでしょう。子犬のうちは普段食べているフードから、1日量の1/3をしつけ時のおやつ用に取り分けて練習してみましょう。

外でのトレーニングに必要な準備
屋外で練習するときは、以下のものを用意すると良いでしょう。
- ・リード
- ・首輪またはハーネス
- ・お散歩バッグに入れるセット
(水入りペットボトル・トイレシーツ・エチケット袋・ウエットティッシュ等)
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犬のアイコンタクトは大切?どうやって教えるの?
愛犬の名前を呼んだとき、こちらを見てくれますか?アイコンタクトは、犬とコミュニケーションをとるうえで大切な基本のひとつです。
飼い主さんに意識を向けられるようになると、その後の「オスワリ」や「マテ」などの合図も伝えやすくなるため、まずはアイコンタクトから教えてあげるとよいでしょう。

アイコンタクトの教え方【3ステップ】
- ①名前を呼んでご褒美をあげる
- 最初は、愛犬の名前を呼び、反応してくれたらすぐに褒めてご褒美をあげます。
- 「名前を呼ばれると良いことがある」と覚えてもらうところから始めましょう。
- ②目が合うように誘導する
- 慣れてきたら、ご褒美を使ってアイコンタクトを誘導してみましょう。
- まず、犬の鼻先にご褒美を近づけて注目させます。そのままご褒美を持った手を飼い主さんのあごの下あたりへ移動させ、犬の視線を顔へ誘導します。
- 犬と目が合ったら、すぐに褒めてご褒美をあげましょう。
- これを繰り返しながら、「飼い主さんの顔を見ると良いことがある」と覚えてもらい、少しずつアイコンタクトの習慣をつけていきます。
- ③自分から目を見てくれるようになったら
- ご褒美で誘導しなくても目を見てくれるようになったら、名前を呼んでアイコンタクトをとる練習をしてみましょう。
- 「名前を呼ぶ → アイコンタクト → 褒める → ご褒美」
- この流れを繰り返し、名前を呼ばれたら飼い主さんを見ることを少しずつ覚えてもらいます。
- なかなか目を見てくれない場合は、無理に進めず②のステップに戻り、ご褒美を使って視線を誘導するところから練習しましょう。

上手に練習するためのポイント
少しずつステップアップしながら練習し、うまくできないときは無理に先へ進まず、ひとつ前のステップに戻りましょう。愛犬のペースに合わせて、楽しみながら取り組むことが大切です。
また、長時間やらずに短時間に集中して行うことがポイントです!練習時間が長いと、犬は飽きてしまいます。
飼い主さんから犬の目をのぞき込んで、無理に目を合わせようとする必要はありません。犬が自分から飼い主さんの顔を見たタイミングで褒め、「飼い主さんを見ると良いことがある」と覚えてもらいましょう。
褒めるときは「いい子」「GOOD」など、短くわかりやすい言葉で伝えます。
毎日少しずつ楽しみながら練習を続けることが、愛犬とのコミュニケーションを深め、信頼関係を築くことにつながります。
犬に教えたい基本コマンドとハンドサイン
アイコンタクトをマスターしたら、次は基本的なコマンドとハンドサインを教えていきます。
ここで大切なのは家族のみんなで言葉とハンドサインを統一するということです。
たとえば、同じ動作に対して「オスワリ」と言う人と「座れ」と言う人がいると、犬が混乱してしまうことがあります。
家族で「この動作にはこの言葉」と決めておきましょう。
言葉だけではなく一緒にハンドサインをつけると、騒がしくて声が聞こえないという環境や、年をとって耳が遠くなった時でも指示を伝えられます。
ハンドサインをつけながら言葉も教えてあげましょう。
ハンドサインとは、犬に指示を伝えるために使う手や腕の動きによる合図のことです。「ハンドシグナル」とも呼ばれます。
教える際の注意点は、ご褒美をしっかりと鼻先に持って行きやってほしい姿勢になるように誘導をしてあげましょう。
ハンドサインは実は何でもいいのです。やりやすいサインがあればそのやり方で教えてあげてください。
今回は一般的にわかりやすい方法でお伝えします。
オスワリ
①画像のようにご褒美を持ち、人差し指を立てます。(ハンドサイン)

②犬の鼻の前にご褒美を持って行き、その位置からしっぽの方向に垂直に上げ移動させます。
③鼻が上に向くと少し後ろ足を落としやすい状態になります。
④お座りの姿勢をとれたことで「オスワリ」と伝え褒めてからご褒美をあげましょう。
フセ
①画像のように、ご褒美を指の間に持ち、オスワリをしている犬の鼻先にご褒美を持って行きます。
②その手を犬の前足の間あたりの下方向に移動し、前半身が床につくような形に持って行きます。

③きちんと伏せる姿勢になったところで「フセ」と言い、褒めてご褒美をあげましょう。
④立っていて前半身は床についたが、後ろ足は伸びたままの場合はそのまま手を下にしたままご褒美はあげずに待ちましょう。
⑤自然と楽な体制をとろうと後ろ足も床につけるはずです。そしてフセの形が出来たら褒めてご褒美をあげましょう。
マテ
「マテ」とはご家族のマテ解除の「ヨシ」の号令がかかるまで待つことをいいます。
①オスワリのときとご褒美の持ち方は一緒にします。ハンドサインは手を開いたパーの状態にして「マテ」といいます。
②そのまま2~3秒待ちます。出来たら「ヨシ」と号令解除の言葉をかけ、褒めてご褒美をあげましょう。

③次はステップアップし、「マテ」といい5~6秒待ちます。犬はご褒美をもらおうと辛抱強くなるはずです。
④できたら「ヨシ」と号令を出し、褒めてご褒美をあげる事を忘れずにやりましょう。
⑤次にまたステップアップします。オスワリ、マテと言うのと同時に一歩下がってみます。
動いてしまうようなら、ひとつ前のステップからやり直しましょう。繰り返し練習することが大事です。犬が落ち着いて待てるように練習していきましょう。
オイデ(呼び戻し)
呼び戻しは犬の安全を守るためにもとても大切です!
散歩中に万が一リードが外れてしまったとき、交通事故に遭ったり、迷子になることを防げます。ドッグランでも犬を呼び戻すことができれば、未然にトラブルを防ぐこともできます。
また災害が起きたときや避難するときに、犬がどこかに行ってしまい帰ってこない、ということも防げますので、「オイデ」をしっかりと覚えさせましょう。
①「マテ」の号令をかけたら2~3歩下がって止まって足をそろえて立ちます。
②ご褒美を持った手を自分の足の間あたりに持って行き「オイデ」と言います。
③足元まで来たら褒めてご褒美をあげてましょう。徐々に距離を伸ばして呼び戻しの練習をしましょう。足元に来てくれることでリードを付けたり、抱きあげやすくなります。

注意点としては、嫌なことをするときにオイデを使うと、犬は来なくなることがあります。
必ず「オイデで行ったら良いことがあった!」という印象をつけるようにしましょう。
犬のしつけの注意点
犬のしつけでは、「わかりやすく伝えること」と「タイミング」が大切です。
犬は、自分がとった行動の直後に良いことが起こると、その行動を繰り返しやすくなります。そのため、できたときは時間を空けず、その場ですぐに褒めてあげましょう。
一方、望ましくない行動をした場合も、時間が経ってから叱ってしまうと、犬は何について叱られているのか理解しにくくなります。
大きな声で叱ったり怖がらせたりするのではなく、してほしい行動をわかりやすく伝えていくことが大切です。
また、しつけは一度にたくさんのことを覚えさせようとせず、愛犬のペースに合わせて少しずつ進めましょう。うまくできないときはひとつ前のステップに戻り、できたことをしっかり褒めながら練習を続けてください。
しつけについてはこちらでも詳しくご紹介していますので、併せてご覧ください。
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まとめ|基本のしつけで愛犬との暮らしをより快適に
このように犬は何かをしたら良いことがおこった。ということをとてもよく覚えます。
人もそうですが、良いことがあるならやろうかな!と思いますよね!
犬はよく見てよく考えています。一度でも嫌なことがあると覚えていますので、嫌な印象はつけないように気をつけながら、楽しく気長にやっていきましょう!
1ヶ月に1個のコマンドを覚えるのでも十分です。1年間練習したら、12個も覚えられます!
犬のしつけは、単に「言うことを聞かせる」ためのものではありません。人と犬が安心して一緒に暮らしていくためのルールを伝え、コミュニケーションを深めていくための大切な時間です。
今回ご紹介したアイコンタクトや「オスワリ」「フセ」「マテ」「オイデ」なども、最初から完璧にできる必要はありません。
愛犬のペースに合わせて、できたことを褒めながら、毎日少しずつ楽しく続けていきましょう。
しつけについてお悩みやお困りごとがございましたら、当院スタッフへご相談ください。
時にはしつけのプロや動物病院に相談することもひとつの選択肢ですので、お気軽にご相談ください。
当院のしつけ教室については、こちらの記事も併せてご覧ください。
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