新しい命を迎える前に知っておきたい犬と猫の妊娠と出産 ~妊娠編~

ペットショップや譲渡会などで可愛らしい子犬や子猫をよく見かけますが、この子たちはどのようにして産まれてきたのかご存じでしょうか?

今回は犬猫の妊娠~出産に関して2回にわたりご紹介いたします。今回は妊娠編です。

\この記事を書いた人/
柏倉(愛玩動物看護師)

柏倉(愛玩動物看護師)

学生の頃から努力家で真面目と言われる性格。一つひとつの仕事に丁寧に向き合い、その動物にとっての最善の看護を提供したいと考えている。文字にもその性格が出るようで、院内でも一二を争う美文字と褒められるのが自慢。趣味はディズニーランドのショーパレード鑑賞。

犬と猫の発情周期

動物は季節に関連して発情が起こる「季節繁殖動物」と季節に関連せず発情が周期的に起こる「周年繁殖動物」に分類されます。

犬は周年繁殖動物に分類され、約6~10ヶ月のサイクルで発情が起きます。

猫において雌は季節繁殖動物に分類され、雄は周年繁殖動物に分類されます。雌猫は日が長くなる1~8月に発情がおきることが多く、発情のサイクルは1.5~9ヶ月とかなり個体に差があります。

犬と猫の発情兆候

犬と猫の繁殖では発情がみられたら適切なタイミングで交配をします。

  • 犬の発情兆候
  • ・外陰部の腫れ
  • ・外陰部から分泌物や血がみられる
  • ・元気や食欲低下
  • ・頻尿
  • ・落ち着きがなくなる
  • ・外陰部をよくなめる

  • 猫の発情兆候
  • ・普段とは違う大きな鳴き声
  • ・仰向けに寝転んでクネクネする
  • ・伏せてお尻を持ちあげた姿勢になる
  • ・トイレ以外の場所で排泄をする

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妊娠の判断

交配が終わったら、次は妊娠をしているかを調べる必要があります。また、気づかないうちに交配をしており、お腹が腫れてきたなどが見られた場合に妊娠の検査を行います。

胎児が見られれば妊娠は確定しますが、まだ妊娠初期のころなどに妊娠の判断を行う場合は膣スメア検査で妊娠の有無を判定します。

妊娠の検査は主に超音波検査とレントゲン検査で行い、妊娠の有無と同時に胎児の発育状況、妊娠頭数を確認します。胎児の発育状況は特に重要で、気づかないうちに妊娠をしていた場合などは出産予定日の推測もこれらを用いて行います。

超音波検査は犬では交配後22~23日以降、猫では交配後15日目以降で検査可能であり、妊娠して最初に判定ができる画像検査です。超音波検査では胎嚢(胎児を包むための袋状の部屋)を確認したり、胎児の心拍を確認することができるため、胎児の発育や生存状況を確認することができます。

レントゲン検査は胎児の骨を投影することで、胎児の頭数を知る検査として用いられます。

そのため、頭蓋骨がはっきりとみえる時期(犬では50日ごろ、猫では40日ごろ)に検査を実施するのが望ましいとされています。

妊娠期間

犬の妊娠期間は64-66日、猫は約63-65日です。

この妊娠期間では母体の様々な体の変化が起こります。

妊娠がわかったら?

日常の管理

犬猫の交配を確認したら犬では排卵後20日、猫では交配後13~14日は着床時期に該当するため安静にする必要があります。この期間は激しい運動は控え、ストレスフリーな生活を心がけましょう。その後は運動不足にならないように適度に運動をして肥満にならないようにしましょう。

また、交配が確認できたら定期的に動物病院へ行くことも大切です。

妊娠の早期発見により妊娠中のケアを十分に行えたり、妊娠の有無や出産にむけておおよその頭数を把握することで引き取り先を探したり、必要物品を揃える準備につながります。

最初の来院の目安は犬では交配後約21日、猫では交配から約15日で、そこで妊娠の有無を確認してもらいましょう。その後は獣医師とよく相談のうえ検査日を決めて通院しましょう。

出産準備

  •  必要物品の一例
  • ・清潔なタオル
  • ・へその緒を縛る糸
  • ・へその緒を切るハサミ
  • ・保温できるもの(湯たんぽなど)
  • ・個体識別用のリボン(出産頭数に応じて各色揃える)
  • ・産湯   など

出産が近くなったら産箱を準備し、落ち着いて出産できる場所に設置します。

また出産頭数に応じて必要物品を揃えておきましょう。

体温測定

分娩間際になると体温の変化がみられるため、出産予定日の約1週間前から1日3回体温を測りましょう。

出産の約24時間前からプロゲステロンという妊娠を維持するための重要なホルモンが急激に減少する影響で37.5℃以下の体温低下がみられます。約12時間前になると平熱(37.5-39.0℃)より1~1.5℃くらい低い体温になり、その後は体温が上昇して出産がはじまりまるため、体温測定により分娩開始の目安を知ることができます。なお、猫においては分娩直前の体温低下は見られますが、犬ほど顕著ではないことや体温測定によるストレスがあるため、体温測定を嫌がる場合は無理に測ることはオススメしません。

薬に関して

新生児へ初めて与える母乳(初乳)には様々な免疫に関与した抗体が含まれるため、ワクチン接種は発情が始まる前にワクチンプログラムに沿ったワクチン接種を行いましょう。

また、妊娠中に予期せぬことが起こり動物病院を受診しなければならない時は必ず妊娠中であることを獣医師に伝えてください。よく使用されている薬剤の中には、胎児の死亡や奇形などを及ぼす薬剤もあるため、胎児へ影響がない薬を処方してもらいましょう。

難産がおこりやすい犬種

  • ・ブルドッグやフレンチ・ブルドッグ、パグ、ボストン・テリアなど鼻が短い「短頭種」
  •  胎児の頭が大きいため産道を通りづらく、難産になる可能性が高い
  • ・チワワやポメラニアンなど
  •  母犬の骨盤の縦幅が短いため、胎児が大きい場合は難産になりやすい傾向がある

また、胎児が少なすぎたり、多すぎると分娩時に胎児の刺激が子宮に伝わりにくいため難産になる傾向にあったり、人と同様に初産の場合は外陰部が狭いため難産になりやすいと言われています。

妊娠中におきる可能性があることは?

流産・死産

犬猫の流産 死産の原因はさまざまで大きく分けて母体の要因と胎児の要因に分けられます。母体の要因としては基礎疾患や外傷、栄養不足、感染症、ホルモン異常、胎盤の異常が挙げられます。胎仔の要因としては先天的な体質の異常や胎位の異常が挙げられます。

妊娠中はなるべく安静に過ごしてもらい、過剰な運動や落下などによる胎児への影響を注意する必要があります。

特に注意しなければならないのは感染による流産で、「犬ブルセラ菌感染」により流産を起こします。この病気は感染力が非常に強いため、シェルターやブリーディング施設などで他の犬にも流産が多発している場合などに注意してください。疑われる場合は、出てきた胎児や胎盤、膣からの分泌物は素手で触らないようにして、動物病院に相談しましょう。

猫の場合は「白血病ウイルス感染」などが問題になることがあります。また人獣共通感染症のひとつである「トキソプラズマ感染症」なども問題になるため、母体の猫が感染症などを持っていないかなどはよく調べておくようにしましょう。人獣共通感染症についてはこちらで解説しています。

その病気、人にもうつるかも。人獣共通感染症について~人と動物と環境の感染症の話~

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ホルモンの異常では黄体機能不全によって血液中の黄体ホルモンが低下することで流産する可能性があります。妊娠50日前後で起こることが多く、小型犬に多く見られます。黄体機能不全の原因はいまだ不明であり、一度流産すると次の妊娠でも黄体機能不全になりやすいため注意が必要です。

胎盤の異常や胎仔の異常の場合は流産を繰り返すことなどがありえますので、病院とも相談をするようにしましょう。

難産がおこりやすい犬種

  • ・ブルドッグやフレンチ・ブルドッグ、パグ、ボストン・テリアなど鼻が短い「短頭種」
  •  胎児の頭が大きいため産道を通りづらく、難産になる可能性が高い
  • ・チワワやポメラニアンなど
  •  母犬の骨盤の縦幅が短いため、胎児が大きい場合は難産になりやすい傾向がある

また、胎児が少なすぎたり、多すぎると分娩時に胎児の刺激が子宮に伝わりにくいため難産になる傾向にあったり、人と同様に初産の場合は外陰部が狭いため難産になりやすいと言われています。

カルシウム過剰摂取による出産後の低カルシウム血症

胎児の骨を作るためにカルシウムは必要不可欠です。

妊娠から授乳中までカルシウムの要求量は増えますが、カルシウム不足を考慮してサプリメント等で補おうとすると母犬の血中カルシウム濃度を上昇させる臓器「上皮小体」の機能を抑制してしまうため、出産後低カルシウム血症を招く危険性があります。

そのため、妊娠中は妊娠用フードで十分な栄養を得られていれば特別にカルシウムを添加する必要はありません。

まとめ|犬や猫の妊娠で知っておきたいこと

妊娠編はいかがでしたでしょうか。

犬猫の妊娠もさまざまなことに注意しながら生活を送る必要があります。

むやみに繁殖をすることは時には母体や胎児を危険な状態にさせる可能性があるため、繁殖を検討している方は、正しい知識を持ち、交配をさせる前に必要な検査や予防を実施しましょう。

当院での予防手術に関しては下記をご参照ください。

犬猫の避妊手術をするにはどうしたらいい?当院での流れをご案内します

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そして計画的な繁殖をして、母体、胎児ともに健康な生活が送れるように心がけましょう!

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