【動物病院が教える】犬のしつけ成功のコツは上手な褒め方・叱り方
しつけはとても大切です。よく耳にする「オスワリ」「マテ」などは、できると外出先でも役立つ基本コマンドです。
でも…しつけって難しい!その通りです。
成功のコツは褒め方と叱り方です。
この記事では、褒め方と叱り方のコツや注意点についてお話します。 

藤咲(愛玩動物看護師)
当院の看護主任として日々奮闘中。責任感が強く真面目な性格と自負しており、ご家族からも頼られることが多い。小学校などで子供たちと犬との触れ合いの場を設ける動物介在教育にも力を入れており、休日には愛犬とともに参加している。ご家族やペットのお名前を覚えるのが得意で、スタッフからも「人間カルテ」と言われる記憶力が自慢。
犬のしつけに欠かせない「強化」とは?
強化とは「ある行動が今後起こりやすくなるようにすること」です。
強化には正と負があります。簡単に言うと、正=与える 負=取り除くという意味です。
ご自宅でのしつけで実践しやすいのは正の強化、つまり、目的の行動をしたらご褒美を与えてその行動を増やすという方法です。
言葉で褒める、おやつ、一緒に遊ぶなど犬にとってのご褒美は十人十色です。
大切なのは、「正=褒める」「負=叱る」ではないということ。
行動までの出来事や回数をよく見て対応することが大切です。とても奥が深いです
ね。

犬のしつけの褒め方・叱り方のコツ
褒めるタイミング・叱るタイミング
犬に「良いこと」「してほしくないこと」を伝えるには、内容だけでなく、伝えるタイミングがとても重要です。
例えば、トイレトレーニング中に犬が決められた場所で排泄できたとします。しかし、その瞬間を飼い主さんが見ておらず、数分後に気づいて「よくできたね!」と褒めておやつを与えても、犬は何を褒められたのか理解しにくくなります。
反対に、トイレを失敗してしまった場合も同じです。時間が経ってから叱っても、犬は「なぜ叱られているのか」を理解することができません。 大切なのは、その行動をしたタイミングですぐに反応することです。
「良い行動」「して欲しくない行動」をしたら、その行動をした瞬間に声をかけたり、反応を止めることで、犬は「この行動をすればこうなるんだ」と学習していきます。
一方、叱り方には注意が必要です。強く叱ったり怖がらせたりすると、人に対する恐怖心や攻撃的な行動につながることもあります。
声のかけ方(コマンド・声色・動き)
①コマンド
犬に声をかけるとき、どのようにしていますか?
犬は短い言葉は聞き取りやすく、特に第一音を意識しています。
「オスワリ」 → 「オウアイ」
「マテ」 → 「アエ」
しつけの際は必ず同じコマンドを使うようにしましょう。
叱る際に「ダメ」「NO(ノー)」「いけないよ」などの多くのコマンドを使うと犬は混乱します。雰囲気で何となく伝わることはありますが、あくまでも何となくなのです。
ご家族全員でしつけに使うコマンドは揃えるようにするとよいでしょう。
コマンドについてはこちらの記事もご参照ください。
関連記事
犬との暮らしの基礎の基礎!基本的なしつけを練習してみましょう!
②声色 犬は声色でも雰囲気を感じ取っているので、褒めるときは高めに、叱るときは低めに声をかけるように意識すると伝わりやすいです。
③動き 一緒に遊んでいる最中に勢いよく犬が人に飛びついてしまった時、飛びついた瞬間に手で大きく振り払ったりせず、静かにその場を離れ遊ぶのを止めるという対応です。「飼い主と遊ぶ」という楽しいことが飛びついたことによって消えるということを学習し、次第に飛びつく行動は減っていきます。
人の声だけでなく、音の種類や動きによって伝えることができます。
しつけツールとして以下のような「クリッカー」を使用するのもよいでしょう。

クリッカーを使用する際、はじめのうちはおやつをセットにするようにし、この音が鳴ると自分にとって良いことがあるということを覚えてもらいましょう。
ごはんが大好きな子であれば、ごはんの際にクリッカーを鳴らすのも良いですね。
クリッカーの使い方についてはこちらの記事をご参照ください。
関連記事
犬のトレーニング道具「クリッカー」 使い方をお教えいたします!
ご褒美の与え方
犬とのコミュニケーションツールとして、おやつなどのご褒美は大切です。
ただし、与え方には十分注意が必要です。
褒めるときに必ずおやつを使うと、おやつばかり欲しがってごはんを食べなくなったり肥満を誘発するリスクが上がります。
おやつを多用しすぎず「オリコウ」などの言葉で褒める、おやつの代わりにごはんの分から10g使うなどがよいでしょう。 また、おやつは小さくちぎれるタイプなどがよいです。

この行動は積極的にできるようにしたい!というときは100%おやつが出てくるようにし、行動を強化することも可能です。
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犬のしつけでやってしまいがちな叱り方
これまでもお話したように、犬は人と同じく学習していきます。
まず大前提として、しつけと訓練は違います。 犬のしつけや訓練のプロは褒美と罰のタイミングを見極め、時に罰が必要な場合には適切な方法で対応します。
以下のような叱り方は、逆効果となったり、犬が恐怖心を抱いてしまう可能性もあるのでやめましょう。
- ・マズルを掴む
- ・叩く
- ・蹴る
- ・抑えつける
- ・怒鳴る
- ・ダメだよーとゆったり叱る
- ・名前を呼びながら叱る
犬のしつけの叱り方の一例と対応
どのように叱るかは犬の性格やテンションにより使い分けが必要となりますが、一例として以下のような叱り方があります。
- ・「NO(ノー)」と短くはっきりと声に出す ※コマンドは1つにしましょう
- ・無視をする、反応しない
叱るだけでなく、まずはなぜその行動をしたのか考えてみましょう。
- ・トイレの失敗 → トイレが汚れていた? 体調が悪い?
- ・いたずらをした → 犬が届く場所にいつもと違う物が置いてあった? など
可能な限り要因を減らすことで、叱る回数も減らすことができます。
犬のしつけにおける「天罰」とは?
決して推奨はしていないのですが、叱り方のひとつとして天罰という方法もあります。
天罰とは、人が与えた刺激のように見せず犬にとってマイナスなことが起きるようにすることです。
- ・大きな音を鳴らす
- ・嫌いなにおいがする
- ・嫌な刺激がくる
専門的な知識を持つトレーナーのもとで適切に行うことが大切です。 ご家庭で無理に行うと、恐怖心が強くなったり、お部屋そのものを嫌いになったりするなど、かえってストレスを与えてしまうことがあります。 そのため、自己流で行うことはおすすめしません。 
まとめ|正しい褒め方・叱り方で、愛犬との暮らしをもっと快適に
犬と一緒に生活する中でしつけはとても重要ですね。
しつこいようですが、これまでお話をしたように犬は学習し、条件付けで物事を覚えていきます。
第一に、しつけは人も犬も楽しくワクワクするようになることが大切です。犬の年齢や性格によって適切な褒め方、叱り方は異なります。
しつけは簡単ではありません。
時にはしつけのプロや動物病院に相談することもひとつの選択肢ですので、お気軽にご相談ください。
こちらの記事をご参照ください。
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