【現役トリマーが解説】犬にトリミング必要なのはなぜ?目的・頻度・慣らし方を解説します
犬の「トリミング」というと美容目的というイメージを持っていませんか?実は見た目などの美容だけが目的ではなく、トリミングが必要なきちんとした理由があるんです!今回は犬のトリミングの必要性や頻度、トリミングに慣れるためにできることをトリマーが詳しく解説します。

野地(トリマー)
丁寧なトリミングを心がけており、おかげさまでたくさんのご指名を頂いています。診察は苦手な子でもトリミングの時間は好きになれるような工夫をしていることで懐いてくれる子が多い。趣味は漫画読書で中でもスラムダンクがいち押し。一緒に暮らしているハムスターの「ハム吸い」をして日々癒されている。
犬の「トリミング」とは?
犬の毛をカットすること自体をトリミングと思っている方もいらっしゃいますが、カット以外にも爪切り、耳掃除、肛門腺絞り、ブラッシング、シャンプーなどがトリミングに含まれます。
正確には毛をカットすることをトリミング、毛のカットを含めた全身のお手入れをグルーミングと言います。日本では一般的に両方あわせてトリミングと呼ぶことが多いため、トリミングをする人を「トリマー」と呼ぶことが一般的です。一方、海外ではグルーミングをする人という意味で「グルーマー」と呼ばれています。
犬とともに生活していく上でトリミング(グルーミング)は必要です。

犬のトリミングはなぜ必要なのか?
トリミングの目的
トリミングの大きな目的のひとつは、体を衛生的に保つことです。
トリミングというと人間でいう美容室のようなイメージがあり見た目を整えるものだと思われがちですが、それだけではありません。
犬は身体が被毛に覆われていて、毛の働きによって体温を保ち、皮膚を守っています。
被毛が伸びすぎるとブラッシングといったケアも行き届かなくなり、毛玉の原因になります。毛玉を放置していると皮膚疾患や感染症の原因にもなり得ます。もちろん犬種によって必要性の程度は異なります。
トリミングしないとどうなる?
口まわりの毛が長い場合には、ごはんで汚れやすいとにおいや色素沈着の原因になります。足裏の毛が長いとフローリングで滑りやすくなったり、爪が長いと折れてしまったりと、日常生活でもトラブルになりかねません。また陰部や陰茎周りの尿汚れなど不衛生な状況が続くと、膀胱炎などのリスクも高まります。
余分な皮脂の除去、被毛ケアを行うことで皮膚や被毛の健康維持に重要な役割を果たすのです。
また、被毛によってお家ではなかなか見ることが難しい皮膚の状態などを定期的にチェックでき、皮膚疾患の早期発見にも繋がります。


犬のトリミング頻度は?
犬のトリミングの頻度は犬種や皮膚の状態によって異なりますが、おおよそ1ヶ月に1回が理想的です。
犬の皮膚のターンオーバーは約3週間と言われており、爪切りや肛門腺絞りの頻度も踏まえるとこの1ヶ月ごとくらいが目安です。犬種や年齢、被毛の長さをどの程度に揃えてカットしているか、皮膚の状態などによって期間は多少異なります。おうちの子にはどれくらいの頻度が良いか、困った時はぜひ当院にご相談ください。
トリミングが必要な犬種は?
長毛のシングルコート犬種
以下の犬種では特に定期的なトリミングが推奨されます。
- トイ・プードル
- マルチーズ
- ヨークシャー・テリア
- など
これらの犬種は抜け毛が少なく、毛が伸び続けるという特徴があり、放っておくともつれてしまい毛玉の原因になります。
その他のトリミング犬種
- ポメラニアン
- シーズー
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- ミニチュア・シュナウザー
- など
これらの犬種はブラッシングなどの日々のお手入れをしっかりしていれば、必ずしもトリミングの必要はありません。しかし、毛質によって毛がもつれやすい、伸びるのが早い、顔や口まわりの衛生を保ちにくいといった特徴を持つ犬種はトリミングでの定期的なお手入れをお勧めします。
トリミングの必要ない犬種
- チワワ(スムースコート)
- ダックスフンド(スムースコート)
- フレンチブルドッグ
- ミニチュア・ピンシャー
- など
被毛が極めて短い犬種では原則トリミングは不要です。シャンプーや足裏の毛をカットなどは、体臭や滑りやすさなどを見て時折実施してあげるとよいでしょう。
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犬のトリミングの開始時期
一般的には生後3ヶ月齢ごろとされています。
トリミングの開始年齢はトリミングサロンや病院により異なりますが、初年度ワクチネーションプログラムが終了していること、狂犬病予防接種が済んでいること、ノミダ二の予防をしていることなどが利用条件にあげられることが多いです。ワクチネーションプログラムについてはこちらで解説しています。
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ワクチン接種直後のトリミングは控えていただき、少なくとも1週間はあけてトリミングをするようにしましょう。
その子の体調や性格にもよりますが、社会化期を考えると遅くとも生後4ヶ月までには1度トリミングを経験してもらうのが理想です。
犬がトリミングに慣れるには?
子犬
トリミングを定期的に行うためにストレスを少なく、慣れてもらうためにはどうしたらよいでしょうか?
お家では全身を触る練習や音に慣れる練習をしていただくと良いでしょう。
足先や尾、耳やマズル(鼻や口先)などは触られることが苦手な子が多い印象があります。子犬のうちからどこを触られてもOK!な子に育てられれば、将来的にトリミングだけでなく病院での処置中にストレスを感じにくくなるでしょう。
シャワーやドライヤーの音にびっくりしてしまう子も多いので、お家でおやつをあげながら小さな音からだんだんと慣らしてあげておくとバッチリです!
トリミングの開始時期でも少し触れていますが、社会化期にトリミングを行うことも重要です。
社会化期は新しい経験や環境を受け入れやすい時期です。この時期にトリミングを行うことで、慣れることが早く、ストレスが少なくトリミングが行えるようになります。社会化について詳しくはこちらもあわせてご参照ください。
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成犬
成犬となってからは順応するには時間はかかりますが、できないわけではありません。しっかりと時間をかけて練習すれば徐々に慣れていくでしょう。
嫌なことには必ず理由があるので、何が嫌なのかを見極めることも大切です。
シャワーの音が怖い、水が嫌い、ドライヤーの風が苦手など、何が嫌いで何を頑張れるのかはその子によって違います。最初から一気にできなくてもいいんです!「今日は爪切りだけ」や「シャンプーとカットの日を分けてみる」など、トリマーと相談しながら、その子のペースに合わせて焦らずゆっくり慣らしていきましょう!

お家シャンプーの注意点
子犬をお迎えして、お家でシャンプーをしよう!という方もいると思います。自宅でのシャンプーにはいくつか注意すべき点があります。
・人用のシャンプー剤を使わない
犬の皮膚は人より薄くデリケートです。
また、人の皮膚のpHと犬の皮膚のpHは異なるため、人用のシャンプーは犬には適していません。お家でシャンプーをする場合は、きちんと犬用のシャンプー剤を用意しましょう。犬のシャンプー剤についてはこちらをご覧ください。
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・シャンプー後濡れたままにしない
キューティクルは熱や水分によって開くという性質があります。その為、シャンプー後に被毛を乾かさないと開いたままのキューティクルが傷つき、毛質が悪くなってしまいます。
また、シャンプー後の濡れた被毛や皮膚は湿度が非常に高い状態です。
雑菌は多湿な環境を好むため、シャンプー後に濡れたまま放置してしまうと絶好の繁殖場所となってしまいます。これは健康な皮膚の子だけでなく、皮膚の弱い子にとっては特に良くありません。
・無理に続けない
中にはどうしてもシャンプーが苦手で嫌がってしまう子もいます。その場合には無理をせず早めに終了してあげましょう。トラウマになってしまうと、その後のトリミングが難しくなってしまうこともあります。お家で難しい時は無理をせずプロに任せましょう。
まとめ|犬のトリミングの必要性
トリミングは一度きりで終わりではなく、定期的に行う必要があるからこそ、ストレスを少なく行えるのがベストです。
犬の体を衛生的に保つためにトリミンが重要であることがお伝えできたでしょうか。子犬のうちから少しずつ慣れてくれることで、ストレスも少なく、むしろ喜んで通ってくれる子もいます。成犬からでも決して遅くはありませんので、ゆっくりゆっくり慣らしてあげましょう。
当院ではトリマーによるトリミングだけではなく、愛玩動物看護師によるケア(爪切り・耳掃除・肛門腺絞り、ブラッシング)だけでもご利用いただけます。ワクチンがまだ終わっていない子や、トリミングが苦手な子、人に触られるのに少しずつ慣らしてあげたい子などはぜひご利用ください。

